家族の幸せな食卓が
社会の「和」につながる

 食事は日に3度のことなので、料理というのは、どなたでも無理なくできること。
 小さくても積み重ねがあるので、特別に大きなことを考えなくても、やっているうちに慣れていきます。

 「子どもの好き嫌いが多くて」という声もよく聞きます。
 わたしが「おいしくつくっていますか?」と問い返すと、口ごもる人が多いのですが、やっぱり子どもが好きなようにおいしくつくれば、子どももよく食べますよ。

 お母さんたちはつくっている中で、こういうのが好きなんだな、嫌なんだな、と感じていることを実際にやってみて、いいことは取り入れるといいでしょう。

 子どもが好きなものをおいしく食べられれば、それで大人も子どもも自然に分かち合いができますからね。

食べることが家庭の中でうまくいっていれば、問題は起きません。たとえ、問題が起きても、穏やかにおさまります。

 そのようにやっていれば、家庭も明るくなり、家全体が喜びで満たされ、それが社会の和になっていくわけです。

 子どもが小さい頃からお母さんがあれこれ工夫して料理をしていると、子どもたちもそれを見ていますから、だんだん成長するにしたがって、やってみたい気持ちが出てきて、実際にできるようになります。

 そうして教育の中にも「食」というのが自然に入ってくるわけですね。
 野菜が透明になる実験もお子さんといっしょにやってみると、とっても楽しいですよ。

 そこから人が透明になることの大切さも自然に子どもの中に入っていくでしょう。