ラオス 2015年6月6日

120万円のピアノが売れる
ラオスの音楽事情

お祭り好きのラオス人だが、意外なことに楽器への馴染みは薄く、公立学校にに「音楽」はないという。楽器はまだまだ高額で、一部の富裕層のもの。一方で、富裕層たちは自分たちのステイタス誇示のために楽器を買う。2002年からラオスに住む森さんのラオス音楽事情レポートです。

 ラオスでは2年ほど前から日系楽器販売代理店がオープンしている。今回は、昨今のラオス音楽事情について。

ラオスの学校に「音楽の時間」はない

 まずは、ラオスで音楽を学ぶ環境から。

 ラオスの公立学校の教育カリキュラムには音楽を学習する時間がなく、「芸術」の時間として絵、舞踊、歌などと一緒にまとめられてしまっている。学習時間は週に1時間ほど。ピアノなど楽器を備えている公立学校はほとんどないため、授業は実質、国歌などをアカペラで歌う程度のようだ。

 そのためか、ラオス人は楽器への馴染みがとても薄い。日本ではリコーダー教育が普及していたり、中学校にはブラスバンド部があったり、どこでも音楽の授業があり先生が電子ピアノなどで演奏してくれる。

 ラオスの場合は、音楽家の家に生まれた子どもが親から習う、もしくは中学生や高校生ごろから興味を持ち始めた富裕層の子どもたちが個人的に音楽教室に通うなど、特別な教育を施さなければならない場合が多い。

 以前は、ビエンチャンに民間音楽学校が1校あるだけだったので(音楽教室として登録された学校のことで、教師が自宅を利用して教える教室はほかにも数カ所あった)、メコン川にかかる橋を通り国境を越えてタイのウドンタニーに通う子も多かった。

 それが、2年ほど前に日系の楽器販売代理店がオープンし、1年ほど前からその系列の音楽教室ができた。それに続くように韓国系のミュージックアカデミーも開校している。ちなみに、大学レベルでは、ラオスに国立音楽院が1校のみ。ベトナム・ハノイの音楽院に国費留学するものもいる(ベトナム政府の支援による)。

 アマチュアからプロまで、全体的に演奏者が多いのは、アコースティックギター(以下、アコギ)。価格も手頃で、どこでも弾ける、アンプが不要という手軽さがある。これに対して、バンド楽器(エレキギター、ベース、ドラム、キーボード)はアンプに繋ながなければならないし、スタジオ練習が必要となるので、練習にもコストが掛かってしまう。

 バンドを組むとなるとコストを割り勘できるメンバー(友人)も必要。スタジオ練習代は1時間2500円ほど(参考までに、食堂のぶっかけ飯が1皿250円ほど)。5人集まれば1人頭500円となり、1人当たりの料金はそれほど高くないにしても、経済的に余裕のある一部の富裕層の子息たちだけが手の届く世界かもしれない。

日系楽器代理店の電子ピアノコーナー。15万円ほどのものが最安値商品として陳列【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】

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