一生使える
ひと言を見つけたい

 言うまでもなく、仕事の内容や年齢、顧客との距離感で、話し方や敬語の使い方は変わってくる。

 たとえば、毎週のように合う顧客と面談していて軽いクレームを言われた場合には「申し訳ありません、以後気をつけます」で済むこともある。だが、関係性の築けていない、初めてのお客様から受ける電話がクレームだったなら、「このたびは誠に申し訳ございません……」と、徹底して丁寧に詫びる必要がある。

 あなたの職種や役職、顧客との距離感を考えながら『接客・商談の一流プロに学ぶ! お客様の心を動かす敬語と話し方』を読み進めていただくと、ずっと使っていきたい素敵な言葉に出会えるはずだ。

 著者である僕が出会った素敵な言葉を紹介しよう。僕の場合は、書いた本や記事を目上の人から褒められることがたまにある。その半分以上はお世辞だと思うのだが、これまではそうしたときの対応に何となく戸惑っていた。「良い本ですね」と褒められた際に、「それほどでも」と照れてみたり、「ありがとうござます」とお礼を言ったりしていたが、なんとなくスッキリしないのだ。

 ところが、アフラックの東京コールセンターに在籍する話し方の達人・鈴木麻由氏のフレーズには思わず膝を打った。彼女は自分がお客様に褒められたとき、こう言うそうだ。

「はげみになります」

 この返事であれば、下手に謙遜するよりも相手は喜んでくれるだろう。僕にとっては、一生使いたいひと言だ。