アラブ 2015年4月10日

教えて! 尚子先生
「イスラム教」とは何ですか?【中東・イスラム初級講座・第21回】

IS(イスラム国)による日本人人質事件によって、ますます注目を集める中東情勢。今回は、日本人には馴染みが薄い「イスラム教」について、中東研究家の尚子先生がわかりやすく解説します。

 今回は、今最も注目を集めている宗教「イスラム教」について考えます。

 イスラム(正確にはイスラーム)教は610年頃、現在のサウジ・アラビアのメッカで、ムハンマドによって始められた宗教です。アラビア語でイスラムとは、「従順、帰依、平和」を意味しています。イスラム教を信仰する人を男性はムスリム、女性はムスリマと呼びます。

 イスラム教の創始者をムハンマドではなく、マホメットと授業などで習った方もいらっしゃると思います。アラビア語は子音(この場合はMHMD)しか表記しないために、母音をあてはめて読まなければならず、マホメットはヨーロッパ人が母音をあてはめた読み方で、現在はムハンマドと呼ぶのが主流です。

世界の4人に1人はイスラム教徒

 イスラム教はキリスト教、仏教とならんで、世界3大宗教のひとつに数えられ、2010年のデータではおおよそ世界中で16億人が、イスラム教を信仰しているといわれています(全世界の人口の約23%)。最も信徒数の多いのはキリスト教で、世界中で約22億人(約32%)です。つまり、世界の3人に1人はキリスト教徒、4人に1人はイスラム教徒ということになります。

 けれども、イスラム教徒の人口増加率がキリスト教徒よりも高いために、2030年にはイスラム教徒の割合が最も高くなると考えられています。実際、2006年にはすでにイスラム教徒数がカトリック教徒数を超したといわれています。

 これらの数値はアメリカのピュー研究所(Pew Research Center)の統計にもとづいていますが、正確なイスラム教徒数を把握するのはひじょうに困難だといわれています。なぜなら、イスラム教に改宗するには、2名以上のムスリム(イスラム教徒)の証人の前で、信仰告白(「アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒である」)を唱えるだけだからです。キリスト教のように教会で洗礼を受けるわけではありませんし、ユダヤ教のように改宗自体が難しく、時間がかかるのとはまったく異なっています。

 これは、イスラム教に神父や牧師、司祭といった神と人間の間を仲介する聖職者がいないためです。言い換えるなら、信徒間での神の前の平等が徹底されているといえるでしょう。その結果、改宗についても、神を信じ、アッラーのほかに神はないと唱えればよいというひじょうにシンプルな形態になっています。

金曜礼拝を終えて=スルタンカブースモスク/ニズワ, オマーン【撮影/安田匡範】

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