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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

日テレ上重聡アナ、浪速のエリカ様らに共通する“勘違い”(下)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第111回】 2015年4月11日
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>>(上)より続く

 答え。一億七〇〇〇万円もの大金を無利子で借りて、自分の資産となる不動産を購入すれば「贈与」として認定される可能性は十分にある(長谷川裕雅弁護士)のだそうです。ついでに記せば、さきの社員就業規則にもこうある。

 『許可なく、業務に関し自己または第三者のために金品の贈与または饗応を受けること』は厳しく禁じられていると。さらにツッコむと、

 『業務に関して私利を図り、また不正に金品その他を受けまた受けようとしたとき』

 この社員就業規定第六十五条に違反した場合、日本テレビでは、譴責→減給→出勤停止→懲戒休職→降格→復職罷免→諭旨解雇→懲戒解雇、の順で懲戒処分が下されるのだそうだ。

 実際のところを説明すれば、マスコミの人間が取材先やスポンサーと必要以上に親しくなるケースというのは案外と多くて、たとえば――、ある企業に取材に行く。取材を終えて帰ろうとすると、先方が封筒を差し出すようなことがかなりの頻度であったりする。

 皆さんの想像どおりだが、封筒には数万円が入っていたりする。多いときで数十万円。スキャンダルの買い取り料と称してン千万を提示されるようなこともある。何ですかこりゃ、と問い詰めれば、どうぞお納めくださいとくる。こんなもの受け取れるわけないでしょと突っ返すと、先方は耳を疑うようなことを口にする。

 「そうですか、この前いらした××さんは受け取りましたが」

 伏せ字には別の媒体の名前が入ったりするが、出版社の規模が中小だったりブラックに近いメディアの記者はこうして取材先から「寸志」を頂戴し、ポケットに入れることが多々あるのだ。ひどいやつになると、取材させてもらってるくせに、おたくの会社を記事にするのだから広告料を出せと言い、金をふんだくろうとする不届き者もいたりする。大手ではこんなことは絶対にありませんので念のため。

 先方が用意した「お土産」は辞退するのが私たちの基本だが、先方に、うちの商品の良さを実際に使って試してみてください、とか、食べて美味しさを確かめてくださいなんて言われたときはなるほどと思い頂戴する。でも、その会社の商品に関係ないものは、それがどんなに高級品であっても、もらっちゃダメだ。そのむかし、コンドームメーカーのオカモトに取材に行き、帰りに大量のコンドームをもらったときは頑張ったぞ。どうぞ使ってみてくださいと言われたからだが、数日後には、実に使い心地が良かったです等々の感想をお礼かたがた伝えたりした。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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