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ファシリテーションの道具箱 森時彦

タンクモデルで全体像を把握しよう

森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]
【第3回】 2007年11月15日
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 在庫問題のようにインプットとアウトプットがあり、その水準をコントロールしたいという問題を考える時には、「タンク」というマッピングの利用をお勧めしたい。前回ご紹介したプロセスマッピング同様、全体像を見ながら議論することによって、創造的な解を促す。

[事例] ある量販店の在庫削減プロジェクト

 ファッション性の高い衣料・装飾品を扱っているある量販チェーン店で在庫が急増していた。経営会議でこの問題が取り上げられ、営業・調達・商品企画・財務の若手スタッフからなるクロスファンクショナルチーム(CFT)で、1年で在庫を半減するプロジェクトがキックオフされた。

 集まった担当者たちは、経営会議の肝いりプロジェクトに強い意気込みで取り組んだが、半年経っても在庫は減るどころか、むしろ増加していた。

 CFTのメンバーは何とか仕入れを減らそうと、全国の100を超える店舗の店長さんたちとの交渉を重ねてきたが、魅力的な店を維持したい各店の仕入れ要求圧力はプロジェクトメンバーの手に負えるものではなかった。店1軒1軒が生き延びるための必死の抵抗にはとても勝てない。

 一方、各店の販売量を伸ばすべく、新しい販促活動を企画してみたが、ほとんど売上げ増につながらないでいることが在庫増の原因となっていた。

 当初、大いに張り切っていた若手メンバーたちは、その厳しい現実に直面し、「これはダメだ。失敗する負け組プロジェクトだ」とモチベーションを失いはじめていた。他に仕事を抱えるメンバーのプロジェクトへの出席率は次第に低下してきた。

 そこでリーダーは、メンバー全員を招集して半日のワークショップを開くことにした。ホワイトボードに、次ページの図表1のような大きなタンクの絵を描き、そこに水が注ぎ込む蛇口と出て行くドレイン(出口)を設けた。

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森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]

1952年大阪生まれ。大阪大学、マサチューセッツ工科大学卒。工学博士、経営学修士。日本GE役員、テラダイン日本法人代表取締役等を経て、チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役。2007年、中小企業の成長促進・事業承継に重点を置いた投資会社リバーサイド・パートナーズの代表取締役に就任。著書に『ザ・ファシリテーター』『ザ・ファシリテーター2』『ファシリテーター養成講座』(いずれもダイヤモンド社刊)などがある。


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