会社であれプライベートであれ、誰しも「負け組」になるときはある。

 そのとき、相談をしたり愚痴をこぼす相手を間違えると、状況は一段と悪くなる。前回紹介した「“負け組御用達”スナックM」などは、とてもお勧めできない。

 連載7回目は、契約が取れない若手営業マン、会社が倒産寸前の社長、さらには俳優の渡辺謙に似た暴力団員まで、「人生の負け組」が集うラーメン屋台に潜入した。

 このラーメン店は、集まってくる負け組を次々に生き返らせる。筆者が10年以上にわたる取材で見つけた「負け組リベンジの名門中の名門店」である。

前回の“スナックM”と読み比べて、どこがどのように違うのかを考えて欲しい。そこに「負け組」脱出のヒントがある。

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■今回の主人公――はい上がりつつある「負け組社員」

人生の負け組たち(仮名)

 契約を取れずに叱られて落ち込む20代営業マン、会社が倒産寸前でストレスのあまり酒に逃げる早稲田大学出身の60代社長、俳優の渡辺謙に似ている30代の暴力団員、さらには会社と裁判で争う部長やバーで働くホステスなど、10人近くの「人生の負け組」たちがある屋台ラーメンを訪れ、生き返っていく。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

元自衛官の大将がいる“癒しの店”で
泥酔して愚痴をこぼす負け組たち

 都内北部を走る私鉄沿線のとある駅。ここの北口から歩いて5分ほどのところに、「負け組社員」を生き返らせるという、屋台ラーメンがある。店主はお客から「大将」と呼ばれている。