「パワー」の在り処を探り当てる方法

【パワー・バランスをつかむ方法(2)】
 もっとも観察しやすいのが「人事異動」です。
 新任役員の出身部門のトップは誰か(誰がボスか)? 社長肝いりの有望な新規事業のポストを誰がとったか? 出向させられたのはどこの部門の人間か? 部長に昇進した数がもっとも多いのはどの部門か? こうした人事動向から、役員レベルの力関係を推察することができるはずです。

【パワー・バランスをつかむ方法(3)】
 また、チャンスをつくって、役員会議の場に参加するのもおすすめです。
 私は、マネジャー時代に、部長の代理として役員会で報告をしたり、議事録担当として役員会に列席するチャンスは逃しませんでした。自分にしかわからない案件があるときには、「私が役員会で説明しましょうか?」と部長に提案したものです。

 上層部に「顔」を売るチャンスですし、それ以上に、上層部のパワー・バランスに生で触れるまたとない機会でした。影響力・発言力のある人物が口を開くと、その場に緊張が走り、全員が耳をそばだてます。一方、パワーのない人物が話しはじめると、場の空気が弛緩(しかん)して、なかには携帯電話を見始めるような人もいます。あるいは、部下に厳しい役員が、役員会議では社員の立場に立った発言をしているなど、普段はうかがい知れない重要情報を得ることもできます。

【パワー・バランスをつかむ方法(4)】
 社内行事などもよく観察したほうがいいでしょう。
 誰がスピーチをするのか? 誰が上座に座るのか? 役員がひとつのテーブルを囲んだときに、誰が会話をリードしているのか? こうした視点で観察することで、上層部のパワー・バランスを実感することも大事です。

【パワー・バランスをつかむ方法(5)】
 事情通の話に耳を傾けるのも有効です。

「あの常務は、いまは実権をもっていないように見えるけど、かつて社長を助けた功労者だ。だから、社長は彼の意見を無視できない。社長が実権を握っているうちは、それなりの発言力をもつだろうな……」

「あの役員は、順調に勢力を拡大しているが、どうも、社長が警戒し始めたらしいよ。これから、どうなるかわからない……」

 こうした話を真に受けてはいけませんが、頭に入れて観察を続けると、パワー・バランスの実態をつかむきっかけになることもあるでしょう。