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金融市場異論百出

各国中央銀行が神経を尖らせる
政府・議会とのこれからの摩擦

2009年11月5日
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 「われわれは、金融緩和策を巻き戻すことに対する賛成論と反対論のすべてを研究した。現在の分岐点における判断のバランスとしては、回復過程を損ねない一方で、インフレ予想を落ち着かせ続けるために、調整しながら出口の位置を決定していくことが適切だろう」

 インド準備銀行総裁は10月27日にそう述べて、流動性準備率を1%引き上げた。同行は来年3月の卸売物価上昇率が6.5%に達しそうだと心配しており、第一弾としての金融引き締めが決定された。

 ただし、今回は慎重に政策金利は据え置いた。タカ派的印象が過度に出ないよう配慮している。

 インド準備銀行の現在の政策金利は4.75%である。多くの先進国から見れば非常に高い名目金利だが、インドにとっては緩和的だ。インド与党は大規模な財政刺激策を取っていることもあって、じつは同行に現行の緩和策を継続させたがっている(「フィナンシャル・タイムズ」)。

 それによる緊張関係が、冒頭の総裁の奥歯にものが挟まったような発言ににじみ出ていたように感じられる。

 景気の最悪期には政府・議会と中央銀行が目指している方向性は一致するが、ある程度の回復が見えてくると摩擦は起きやすくなってくるものである。

 ドイツのメルケル首相は、2011年にかけての景気浮揚策としての大型減税や財政支出策の法案を通過させる見通しと報じられている。

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