経営 × オフィス

職場混乱のタネになる「ダイバーシティ導入」
働きがいを高める制度はどう作ればいいか?

呉 琢磨
【第6回】 2015年4月24日
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時代の流れにともない、人材と働き方の「多様性」を推進することが企業にとって欠かせなくなってきている現在。従来のスタンダードな人材像である「正規雇用の日本人男性」ばかりではなく、非正規雇用者、外国人、女性、シニア世代といったさまざまな人々が同じ職場で働くケースが急増した結果として、職場における「ダイバーシティ(Diversity)」がますます注目されるようになっている。

Photo:yuuuu-Fotolia.com

 そもそもダイバーシティの概念は、もとを辿れば1980年代のアメリカにおける企業経営の合理化の流れのなかで誕生している。一般的に「多様性」と訳されているが、正しくは「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity&Inclusion)」の略であり、これは「多様性の受容」を意味している。つまり、企業におけるダイバーシティとは、人材のさまざまな違いを尊重して受け入れ、積極的に活かすことで、変化しつづけるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに効率的に対応することが目的だ。

 その根底には、従来型のスタンダードな人材だけが集まった組織では、昨今のビジネスシーンで競争力を保てなくなってきた日本企業の実情がある。プロ野球などのスポーツ競技と同じように、「日本人選手だけ」で固めたチームより、高い能力を持つ「外国人選手」が混ざったチームの方が試合に勝てる、だからそうせざるを得ない、というのと似た環境になりつつあるわけだ。

 しかし昨今、多くの日本企業が取り組んでいるダイバーシティは「女性の活躍推進」をテーマとしたものが中心となっている。その問題点を指摘するのが、企業のダイバーシティマネジメントを推進しているアパショナータの代表、パク・スックチャ氏だ。

 「性別が『女性』であることは、人材の多様な属性のひとつでしかありません。人間は誰であっても、人種や性別、年齢といった基本的属性の違いはもちろん、物事の考え方、嗜好、価値観、宗教、仕事に対するモチベーションなど、あらゆる要素が異なって当たり前です。肝心なのは、そうした差異を認めながら適切にマネジメントして、企業の成長に結びつけること。もちろん女性活躍も大切ですが、ジェンダーの差異だけをことさらに取り上げて管理職を増やしても、本来的なダイバーシティの推進とはいえないでしょう」

 では、実際にダイバーシティを推進している職場には何が起きているだろうか。

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どうして業績がパッとしないのか――。そんな悩みを持つ経営者は多いだろう。それはもしかしたら、社員が働く「オフィス」に無頓着なせいかもしれない。オフィスのあり方は、社員のモチベーションと密接に関わっている。足もとでビジネス環境・働き方の変化が起こっているなか、これからのビジネスパーソンは、新しい価値の創造や質の高い成果を、ますます厳しく求められるようになっていく。それに伴い、オフィスは単に「作業をこなす」のではなく、「仕事を創造する」場となっていくべきだ。オフィスを変え、社員の能率アップを図るために、経営者や総務・人事責任者が心得るべきトレンドやポイントを、一緒に考えて行こう。

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