フィリピン 2015年4月29日

フィリピンで新古コンドミニアムを購入する際の注意点

フィリピン在住19年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と暮らす志賀さん。今回は、フィリピンで中古マンションを購入したものの、複雑な手順と書類の不備で、手続きが止まってしまっている相談者へのアドバイス。フィリピンでマンション購入を検討している人にとって貴重な情報です。

 2000年代後半、フィリピンにコンドミニアムブームが到来し2010年代前半から物件の完成・引渡しが始まった。多くは転売ないし賃貸を目論んだ投資目的だから、今度は転売と賃貸のブームとなりコンドミニアム市場は今、転換点を迎えている。

ボニファッシオ・グローバル・シティの裏手に開発中のコンドミニアム群はタギッグ市の低級住宅地と隣りあわせだ【撮影/志賀和民】
スカイウエイからのマカティのビル群の眺望は、相変わらず国際都市と呼ぶにふさわしい【撮影/志賀和民】

登記移転に必要な書類

 とある退職者から、「新築のコンドミニアムを完成後(新古コンドミニアム)、第一次購入者から転売・購入して代金を支払い、物件の引渡しは終了したものの、一向に所有権移転の作業が進展しない。いったいどうなっているのか」という質問が来た。

 詳しい話を聞いてみると、契約を交わし、お金を支払い、鍵を預かったものの、仲介に当たったフィリピン人がまったくの素人で、何をすべきかもわからず、ほったらかしにされてしまっていたらしい。仲介手数料を受け取ると、後の面倒な手続きにはそ知らぬ顔を決め込んだもののようだ。

 そこで、登記移転にあたっての必要書類、手順についてアドバイスをした。

 所有権の移転に必要な書類は下記となるが、下記のうち1~4は物件購入の際、売主に提示を求め、その存在を確認できない場合は、後日、登記移転に支障をきたすので、購入を控えたほうが無難だ。

1. 売主名義の権利書(CCT、Condominium Certificate of Title)

2. 売主が登記したときの税務署の権利移転の許可証(CAR、Certificate Authorizing Registration)

3. 売主名義の納税申告書(Tax Declaration)、および固定資産税(Real Property Tax)の支払い領収書(Official Receipt)

4. 売主が本物件を購入した際の売買契約書(Deed of Absolute Sale)と領収書(Official Receipt)

5. コンドミニアムの管理組合からの「未払いの管理費などがない」という証明書、ならびに管理費等の領収書

6. 売主と買主のパスポートおよびTIN(Tax Identification Number)

7. 公証済みの売買契約書(Deed of Absolute Sale);売主と買主との契約書と領収書
 日本で契約した場合は、日本で公証し、フィリピン大使館で認証してあること。フィリピンで契約した場合、Notary Publicで公証。

8. 取引に伴う税金(Capital Gain Tax等)の領収書(契約上、売り手の義務となっている場合)
 買い手の義務となっている場合は、すみやかに支払わなければならないが、契約日の翌月5日までという支払期限があり、遅れると、多額のペナルティがかかる。たとえ売り手の義務になっている場合でも、期日までに支払われる保証がないため、購入金額から差し引いて、買い手が支払うことにしたほうが間違いがない。

9.婚姻証明書(購入者が既婚の場合)
 不動産の所有権は原則、夫婦共同名義となる。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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