通常よりも1ヵ月も早くインフルエンザの流行が始まったという発表がありました。年末年始の貴重な長期休暇シーズンを、風邪をひいてベッドで過ごしたなんていうことにはなりたくないですね。できるだけ人ごみを避け、頻繁な手洗いとうがいを実行して、風邪をしっかり予防してください。

 でも、もし「風邪かな」ということになってしまったら――。そのときは、温かい飲み物が強力な助っ人になってくれそうです。

 「風邪をひいたら」あるいは「風邪かな」と思ったら、例えば、日本では玉子酒、米国ではチキンスープと、温かい飲み物を飲みなさいという民間療法は世界中に数多くあります。温かい飲み物には、実際に風邪の諸症状の改善において、市販薬に負けない効果があるようです。

 インフルエンザや風邪では、温かく安静にして、十分な水分を摂取しながら回復を待つことが治療の中心となります。加えて熱や痛み、鼻づまりなどの症状を緩和するために薬が処方されます。

 温かい飲み物は、身体に水分を補給することだけでも回復に大きな効果があると言えるでしょう。

熱々のフルーツドリンクが
風邪のほとんどの症状を緩和

 先日も、熱々の飲み物が、一般的な風邪とインフルエンザの症状を改善するために役立つという研究報告がありました。熱々のフルーツドリンクは、即座に、持続的にほとんどの症状を緩和しました。

 果汁を水で薄めて甘味料を加えたフルーツドリンクを70度に温めて、風邪の症状をもつ30人に飲んでもらったところ、即座に、せき、のどの痛み、寒気、疲労感が改善しました。15分後には鼻水とくしゃみの症状も軽くなったことがわかりました。

 熱々の飲み物は、寒さとインフルエンザの症状の両方を撃退するために、いつでもすぐに利用可能な、安価で安全かつ有効な方法といえるようです。

冷たい飲み物はNG、
温かい飲み物は白湯でも効き目あり

 一方、冷たい飲み物は、のどや鼻の粘膜の状態を悪化させるようです。温かい飲み物を飲むことは、たとえ白湯であっても風邪の症状の改善に役立つようです。

 ある研究が、冷水、白湯、熱々のチキンスープを15人の人々に飲んでもらって、その5分後と30分後に上気道と鼻の粘液の状態を調べています。白湯と熱々のチキンスープでは5分後に鼻汁の動きが増えました。冷水は鼻汁の動きを低下させて、30分後にも低下した状態が続いていました。中でもチキンスープは効果的でした。