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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

多様な専門外の知識を有する者が教養ある者

上田惇生
【第2回】 2007年10月4日
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ポスト資本主義社会
「ポスト資本主義社会」(ダイヤモンド社刊 2000円税別)

 「専門知識を一般知識へと統合できない教養課程や一般教養は、教養ではない。教養としての第一の責務、すなわち相互理解をもたらすこと、文明が存在しうるための条件たる対話の世界を造り出すことに失敗しているからである」(『ポスト資本主義社会』)

 知識は、高度化するほど専門化する。しかも他の専門知識と結合するとき爆発する。したがって、多様な専門知識への理解が不可欠である。ドラッカーは、そのような自分の専門外の知識を持つ者を、知識社会における教養ある者とする。

 門知識のすべてに精通する必要はない。しかし、それらのものが何についてのものか、何をしようとするものか、中心的な関心事は何か、中心的な理論、問題、課題が何かは知らなければならない。

もちろん、専門知識が一般知識となるには、それぞれの知識の所有者たる専門家たちが、それらの知識を理解しやすいものにしておかなければならない。

アインシュタインは相対性理論よりも、『物理学はいかに創られたか』を書くのにより多くの時間を使ったという。中学一年生だった小柴昌俊さんに「物理というのは、おもしろいことをやるもんだ」と思わせたのが、この本だ。

 「すべての専門知識が真理にいたる。しかし、専門知識を真理すなわち一般知識への行路とすることは、専門知識を有する人たちの責任である。彼らは知識を預かっている」(『ポスト資本主義社会』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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