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日本に謝罪を求め続ける韓国はベトナム戦争で何をしたか?(上)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第112回】 2015年4月25日
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 車を親友に預け、病気のお婆さんを病院まで送ってもらい、あなたは理想の異性と停留所でバスを待つ――、がもっともハッピーな解決策なのですが、何のことかわからない方は前回をお読みください。

 ということで、今月一六日は、二九五人の死者を出した韓国のセォウル号沈没事故から一年が過ぎたことになるが、いまだ九名の行方不明者がいるとのことだ。痛ましい事故には国境を問わず誰もが哀悼の意を捧げるが、この事故報道をめぐり、韓国政府が耳を疑うような暴挙に出たことも記憶に新しい。

 こともあろうに、朴槿恵大統領は、産経新聞がウェブサイトに載せた記事が名誉毀損に当たるとして、記事を書いた加藤達也ソウル支局長を訴えたのである。

 これがいかに愚かしい行為かはおわかりだと思うが、記事は、韓国最大の日刊紙「朝鮮日報」に、『大統領をめぐるウワサ』と題された記者コラムが載った――、というものだった。朝鮮日報は、沈没事故の際、指揮を執るはずの大統領が「七時間」も所在不明だったことを伝え、そのため、朴大統領にはある疑惑が持ち上がったと書いた。

 疑惑は、行方をくらました七時間のあいだ、妻子持ちの元秘書といちゃいちゃしていたのではないかという内容だ(掲載は昨年八月三日)。

 というウワサがまことしやかに広まっていると書いたのだが、産経新聞が記事の削除要請に応じなかったため、激怒した槿恵ちゃんはソウル支局長を訴え、韓国からの出国を禁じた。すごいね、ミャンマーの軍部がアウンサンスーチー氏を軟禁したのに似ている。その後、出国禁止措置は都合八回も延長され、支局長には東京本社への異動が発令されていたが、支局長の帰国が許されることはなかった(八ヵ月に及ぶ出国禁止措置は今月一四日解除、加藤氏は当日帰国)。

 朴大統領がやったことは、北朝鮮も真っ青の言論弾圧だった。

 政府や大統領のスキャンダルを報じたら訴えるぞという脅しは弾圧以外の何ものでもなく、卑怯者のやることだ。水産高校の練習船「えひめ丸」がアメリカの潜水艦に衝突されて沈没したとき、連絡を受けた森喜朗総理(当時)はそのままゴルフを続けてさんざん叩かれはしたが、森氏はメディアを訴えたりしなかった。サメの脳みそと揶揄されても、それを名誉毀損とは言わなかった。学生時代に買春していたと報じられたときは出版社を訴えたけど。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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