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8.6秒バズーカー「ラッスンゴレライ」は“反日ネタ”か?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第114回】 2015年5月9日
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 コンビ結成から一年を待たずして大ブレイクしたお笑い芸人コンビ『8.6秒バズーカー』だが、売れるのが早過ぎたからか、憶測と誹謗と中傷に巻き込まれるのも早かった。ちょっと可哀そうなのである。

 いまとなってはリズムネタ『ラッスンゴレライ』を知らない人のほうが少ないくらいに思うが、彼らが巻き込まれた噂は、彼らの芸が「反日的」というものだった。

 まさに世相の反映というのか、「反日」というだけで過敏に反応する人が多い世の中になった。桑田佳祐さんの例にあるように、何かあるとすぐ「反日」的と決めつける人が多いのもまた事実だ。困ったものだ。

 そもそも、彼らのコンビ名『8.6秒バズーカー』からして「反日」的だと声高に叫ぶ人までいる始末だ。曰く――、ふつうなら「8秒6」と言うところをあえて「8.6秒」にするのは日本人的ではない。8.6は広島に原爆が投下された「8月6日」を指していて、バズーカーはすなわち原爆そのものを表している。

 だそうである。

 彼らが反日的だという書き込みが頻発したのは今年四月上旬からだが、あのリズム芸の一つひとつに反日的な要素がある、と過敏な人々は言う。彼らは芸の中で、日本人を小ばかにしていると言うのだ。あるいは、コンビ名に表されているように、日本に原爆が落とされたことを喜んでいるとも。ほんまかいな?

 「ラッスンゴレライ」は『落寸号令雷』のことで、これは原爆投下時に使われたアメリカの暗号だった。また、ラッスンゴレライには「Lots soon go relight!(たくさんのものがまもなく再点火する)」との意味や、英語圏の人たちには「less than Gorilla(日本人はゴリラ以下)」もしくは「Listen Gorilla(ゴリラよ聞け)」と聞こえるとのことだ。

 すると、はまやねん(太ったほう)が歌う「♪ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ、ラッスンゴレライ説明してね」は、日本人はゴリラ以下なのか教えてよという意味になる。ほんまかいな?

 「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん、ラッスンゴレライって何ですの?」

 田中シングル(痩せてるほう)のツッコミだが、日本に飛来したアメリカの大型爆撃機B29の一機に「chotto matte」号と名づけられた機があるのだそうだ。ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん、の語源はそれだというのである。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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