株式レポート
5月7日 17時0分
マネックス証券

雇用統計直前レポート〜徐々に底入れの兆しが見られる経済指標〜 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

5/8 21:15〜米国雇用統計 実況中継!〜美人FXブロガーと元外銀ディーラーが解説〜

ADP雇用統計(前月差) 4月 +16.9万人 市場予想 +20.0万人 前月 +17.5万人(下方修正)
(予想)非農業部門雇用者数 4月 市場予想 +23.0万人 マネックス証券 +16万人
ISM製造業景況感指数 4月 51.5 市場予想 52.0 前月 51.5
ISM非製造業景況感指数 4月 56.5 市場予想 56.2 前月 57.8


■非農業部門雇用者数は16万人増を予想
米雇用関連会社のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が6日に発表した4月のADP雇用統計で「民間非農業部門雇用者数」は前月差16.9万人増と、前月から伸びが鈍化し、市場予想(20万人増)も大きく下回った(グラフ参照)。


また、3月分は18.9万人増から17.5万人増に下方修正された。ADP雇用統計の伸びが前月から鈍化したのは4ヵ月連続で、米国の労働市場の回復ペースがやや鈍っている可能性を示唆する内容となった。

ADP雇用統計はネガティブな内容だったが、4月30日に発表された労働市場の先行指標とされる新規失業保険申請件数は26万2000件と2000年4月以来約15年ぶりの低水準となった(グラフ参照)。失業保険の申請件数が少なくなったということは、当然労働市場の改善を示唆するものであり、ポジティブだ。


このように労働市場の関連指標がまちまちで判断は難しいが、政府発表の雇用統計についてマネックス証券では市場予想の23万人増より弱いが、ADP雇用統計と整合的な16万人増程度を予想している。

■依然としてやや弱めの指標見られるも徐々に底入れ感の出てきた米国経済
直近発表された米国の経済指標も依然としてやや弱い内容の発表が目立った。以下の表は4月末以降に発表された主要な経済指標について、「前回発表時の数値」、「市場予想」、「最新の結果」、「結果についての評価」をまとめたものである。


まず、28日に発表された個人消費の先行指標であるカンファレンスボード消費者信頼感指数は、95.2と前月から悪化し、市場予想を下回った。依然として高水準にはあるものの、上昇一服といった様相となっている(グラフ参照)。


また、29日に発表された1―3月期の米国GDPは前期比年率換算0.2%増と市場予想の1.0%増を大きく下回った。既に終わった期の結果ではあるが、想定以上に1―3月の米国経済は弱かったということになる。市場予想とは別にアトランタ連銀が週次で発表していた1―3月期のGDP予測は直近予想が0.1%増と、ほぼ整合的な結果であった。

そして、5月2日に発表された4月の新車販売台数は年換算1650万台と、販売台数が前月の1715万台から鈍化し、市場予想も下回った(グラフ参照)。販売台数は4月としては10年ぶりの高水準とあって決して悪い内容というほどではないが、やや物足りないといったところだろう。


■下げ止まりの兆候が見られたISM製造業、市場予想を上回る伸びを見せたISM非製造業
ISM景況感指数を評価すると、製造業が△、非製造業が○といったところだ。1日に発表された製造業指数は、51.5と前月から横ばいで市場予想の52.0は下回った。

3月まで5ヵ月連続で悪化してきた同指数に下げ止まりの兆候が見られたことはポジティブだ。また、ヘッドラインを構成する新規受注・生産・在庫・雇用・入荷遅延の5項目のうち、新規受注と生産の重要な2項目が前月から改善するなど指数の内訳を見ても良好だった(グラフ参照)。


また、5日に発表された非製造業指数は57.8と前月から改善し、市場予想を上回った。非製造業は製造業より先んじて改善しており、指数の水準も高かったが、4月分の発表で改めて非製造業の景況感が好調なことが確認された。ヘッドラインを構成する新規受注・入荷遅延・雇用・業況の4項目のうち、入荷遅延を除く3項目が改善と内容も良好である(グラフ参照)。


これまで見てきたように、徐々にではあるが、経済指標は好転を見せ始めている。そして、減益と見込まれていた企業決算も思ったほど悪くはなさそうだ。

■増益予想に転じた企業決算
1―3月期の企業決算は、当初は2009年以来の減益予想となっていたが、ここへ来て増益を確保する公算となってきた。

トムソン・ロイター社の5月1日時点の集計によれば、S&P500採用企業の1―3月期の純利益は前年同期比2.0%増益と、前週時点の0.9%減益から上方修正された。業種別に見ると、原油安の影響からエネルギーセクターは大幅減益を避けられないが、その他のセクターは増益となる見通しだ。

まだまだ絶好調と呼ぶには程遠い米国経済のファンダメンタルズと企業収益だが、底入れしつつあり、今後の改善に期待が持てる状況になりつつあると言えそうだ。筆者は従来から経済指標の不調を根拠として、短期的な米国株のアップサイドに懐疑的であったが、このまま改善が進むのであれば、年初からの出遅れが目立っている米国株に資金が回ってくるタイミングがあるのではないかと考えている。

■用語解説
雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

新車販売台数
オートデータ社が毎月月初に前月分を発表する米国の新車販売台数。販売台数は個人消費動向の確認に加えて、関連部品などが多岐にわたり製造業全体に影響をあたえるため注目を集める。

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(マネックス証券)


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