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甲子園より泣ける!
ゴーン日産「技術大会」に隠された意図

2008年6月26日
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緊張感みなぎる日産技術大会の一幕

 ブルルン! 「よしっ、終わった」。

 クルマのエンジン音が軽やかに鳴り響くや否や、会場内にこだまする歓声と拍手――。

 通常、自動車レースをはじめ、クルマに関するあらゆる競技では、エンジン音はその“始まり”を意味するが、この競技に限っては明らかに違う。

 エンジン音は競技の“終了”、“ゴール”を意味する。つまり、エンジンがかからない故障車をいかに早く修理するか、という競技なのである。

 これは6月21日、神奈川県横浜市の日産教育センターで開催された「全国日産サービス技術大会」の一幕だ。文字どおり、日産自動車の各ディーラーによる技術サービスの大会である。

 当然ながら、この大会には、レーシングカーもなければ、客目を引く派手なイベント、華を添える女性コンパニオンも存在しない。

 大会の主役は、あくまで普段、ディーラー各社の販売店で顧客のクルマを黙々と整備する自動車整備士(TS)や、受付でまず顧客からクルマの不具合などを聞き出し、接客する技術アドバイザー(TA)らである。

 派手さは微塵もない。正直、地味な競技である。とはいえ、全国の地区大会を勝ち抜き、代表となった選手たちが会場で、ディーラー各社の社長や役員、職場の仲間からの声援を受けながら、真剣勝負を繰り広げている。そしてそこには実は、日産グループのある狙いが込められているのだ。

 一般にはあまり知られていないが、同様の大会は、日産だけでなく、トヨタ自動車やホンダなどでも開かれている。いずれの企業でもこの種の大会は、地道な努力を必要とする技術サービススタッフの技術力やモチベーションの向上、グループ内交流のために始められたものだ。いわば、「かつては社内運動会の延長線上にあるようなものだった」(日産幹部)のだ。

 ところが、昨今は、「まったく異なる重要な意味合いを帯び始めている」(同幹部)という。それはずばり国内販売低迷を受けての、販売最前線の「顧客を逃さない」能力の底上げである。

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