日本の優れた技術を
IoT産業につなぐ

 このほかにも、サービス、農業、医療など、さまざまな分野でIoT活用への動きが活発化している。

 サービス業の分野では、ヘルスケアや生保・損保といった業界がIoT活用に興味を示している。たとえば損害保険の分野では、IoT技術を応用した新たな自動車保険商品を提供する会社が現れはじめた。加速度センサーやカメラを積んだドライブレコーダーを設置することで、スピードや急ブレーキなどの動作に関する情報を収集し、ドライバーの運転特性を評価し、保険料に反映させるというものだ。保険会社にとってはドライバーごとのリスクを正確に把握できるようになり、ドライバーにとっては安全運転への意識付けになる。

 ヘルスケア分野では、ウェアラブルデバイスと組み合わせた予防医療などに注目が集まっている。時計型のウェアラブルデバイスで血圧や心拍数などのデータを常に収集し、大きな問題が起こりそうな予兆を感知した時にアラートを発するといった仕組みが考えられる。

 業界を上げての動きも始まっている。藤原氏が副理事長を務める一般財団法人インターネット協会でも、新たに「IoT推進委員会」が設置された。同委員会は、急速な広がりをみせるIoTに関する情報を収集し、会員にフィードバックすることを目的とする。たとえば、米クアルコム社が主導し、IoTの普及推進を目指すコンソーシアム「AllJoyn」と連携するといった動きが始まっている。また日本のメーカーの持つ優れた技術とIoT産業をつなぐ役割も担う予定だ。

「日本の企業はアップルのような垂直統合は苦手ですが、家電、通信機器、健康機器、時計など、世界でも大きなプレゼンスのある技術や製品はたくさん持っています。そのような技術をIoT産業と連携させれば、おもしろい展開が期待できます。『日本製の時計を使えば優れたウェアラブルデバイスができる』というようなことを、IoT推進委員会が発信していきます」