株式レポート
5月12日 17時0分
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マネックス証券

ほっと、一安心。 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

非農業部門雇用者数 4月 +22.3万人 市場予想 +22.8万人 前月 +8.5万人(下方修正)
失業率 4月 5.4% 市場予想 5.4% 前月 5.5%


■堅調な伸びを取り戻した非農業部門雇用者数
8日に発表された4月の米国雇用統計で非農業部門雇用者数は前月差22.3万人増と2ヶ月ぶりに労働市場の堅調な回復の目安とされる20万人増を上回ったが、市場予想の22.8万人増は小幅に下回った。また、2月分が26.4万人増→26.6万人増と上方修正、3月分が12.6万人増→8.5万人増に下方修正され、2ヵ月合わせて3.9万人の下方修正となった。マネックス証券では16万人増程度を予想していたが、大きく外れる結果となった。

労働参加率が62.8%と前月の62.7%から上昇する中で、失業率は5.4%と前月から0.1ポイント改善し市場予想と一致した(グラフ参照)。


雇用統計の結果を受けての多くのマーケット関係者の感想は、「一安心」といったところだろう。当レポートや「米国マーケットウィークリー」でも繰り返しお伝えしてきたとおり、冬場以降米国の経済指標はISM製造業景況感指数や小売売上高、住宅関連指標など冴えない内容のものが多かった。さらに4月に発表された3月分の雇用統計が大きく落ち込んだものだから、米国経済は本当に大丈夫かというような不安感がマーケットに広がっていた。事実として1―3月期のGDP成長率は0.2%にとどまり、さらに連邦公開市場委員会(FOMC)は4月の会合後の声明で、「経済成長が冬場に一時的な要因を反映して鈍化」、「就業者数の増加ペースは緩やかになった」など、米国経済についての見通しを(一時的要因によるものと断っているとは言え)やや引き下げた。

このように米国経済への見通しが不透明となっていた状況の中で非農業部門雇用者数の堅調な改善を受けて、やはり米国経済の成長鈍化は一時的なものだろうとの安心感がマーケットを包んだ、というわけである。

■イエレン・ダッシュボードは軒並み改善
雇用統計では非農業部門雇用者数と失業率の改善だけでなく、その他の質的な改善も見られた。労働者の時間あたり賃金は24.87ドルで前年同月比2.18%増と前月の2.05%から伸びが加速し、2011年以降の平均2.01%を上回った(グラフ参照)。


また、労働市場が専門の経済学者だったイエレン現FRB議長が重視するとされる9つの労働市場関連の指標、通称「イエレン・ダッシュボード」のうち、雇用統計で発表された指標は以下の表の通り軒並み前月から改善した。


なお、残るダッシュボードの4指標である「採用率」「解雇率」「求人率」「離職率」は12日発表のJOLT求人件数で明らかとなる。劇的な進歩はないが、労働市場は着実な改善トレンドから外れていないと考えて良さそうだ。

■利上げはいつか?
それでは今年のマーケットで最も注目されるイベントと言っても良い利上げはいつ行なわれるのだろうか。11日にサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は「金融政策は経済統計次第であり、今後全ての会合で変更が議論される可能性がある」と発言、次回6月のFOMCでの利上げの可能性が残っていることを示唆した。


ただ、筆者は6月利上げの可能性はかなり低いと考えている。6月のFOMCが開催されるのは16日から17日にかけてで残り約1ヶ月である。それまでに発表される経済指標が当然多くはない中で、冬場の経済の落ち込みからの力強い回復を確信させるほど強い内容になるとは考えにくい。また、例え強い内容が出たとしてもそれが持続的なものか確認できない。そのような状況下において、これまで慎重に慎重を期して金融政策の舵取りを行ってきたFRBが無理に利上げに踏み出す可能性は低いと考えて良いだろう。利上げは早くても7月だと考えている。

■用語解説
雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

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(マネックス証券)


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