「どのくらいの画素数があれば、デジカメが35ミリフィルムと同等の解像度になるのか」

 あるフィルムメーカーの開発者にインタビューしたことが忘れられない。

 「1300万画素程度だと思います。当面、デジカメはフィルムにはかないません」

 確かに、そんな答えであった。インタビューをしたのは、さかのぼること6~7年前だろうか。だが、解像度の進化は予想を超えており、今や、数万円のコンパクトデジカメでも1000万画素は当たり前になった。一眼レフのハイエンドユーザーも、続々とデジカメに移行中である。

 単なるスナップ写真なら、誰もがデジカメを使うようになっている。そのうえ、現実的な価格でフルサイズのCCDを搭載した一眼レフデジタルカメラも登場し始め、いよいよカメラ好きもデジカメに移行している真っ最中だ。

 面白いことに、一眼レフデジカメで撮影したRAWデータは、パソコンに取り込んで画質調整などをする際に「現像する」と呼ぶ。一眼レフデジカメの世界には、アナログから引きずっている用語がいくつもあって、写真マニアが近づきやすいように工夫されていることが実感できるのだ。

コンシューマー向けに機能を特化
「Photoshop エレメンツ」の使い勝手は?

 写真マニアは、「Photoshop」などの高級ソフトを利用して、美しく現像しようと心がけている。だが、それはどちらかと言うと「ピラミッドの頂点」だ。手ごろな価格の一眼レフデジカメを購入して写真を楽しんでいる大多数のユーザーは、10万円もするPhotoshopを買うことはできない。

 そんなユーザー向けの画像処理ソフトも多数登場しているのだが、なかでも人気が高いのはPhotoshopの技術を利用しつつ、コンシューマ向けに機能を絞り込んだ「Photoshop エレメンツ」である。こちらは、1万円台と手ごろな価格で購入できる。

 今回、Photoshop エレメンツの最新版が登場したので、早速使ってみた(ただし、今回評価したのは、製品版前の開発版のため、製品版とは機能などが異なる可能性がある)。

 デジカメの写真は、その気になれば合成したり、大胆に加工することも可能だ。「家の中で撮影したスナップにハワイの背景を組み合わせる」なんて遊び方が、ずいぶん前からもてはやされてきた。「撮影したスナップ写真に邪魔な自動車や看板があったら消してしまえる」と聞くと、とても便利そうにも感じる。