
レギンスとは、タイツの足首から下を切り取ったもの。短めのタイツといってもいい。主に女性に愛用されてきたこのレギンスが、このところ男性にも人気ということを、ご存知だろうか? 彼らは「レギンス男子」と呼ばれているらしい。
筋金入りの男子になると、女子同様に「見せる下着」として短パンの下に履くという、かなり思い切った着こなしに挑戦しているというのだ。
本当にレギンス男子なるものが増えているのかどうかは別として、レギンスそのものは確かによく履かれているようだ。
たとえば、「レギンス」と名乗ってはいないが、丈が短いユニクロのヒートテックタイツは、この数年「冬の必需品」として定着している。
最近では、ショッピングサイトの購入者コメントに、「寒い屋外で働く彼氏にプレゼントした」などの書きこみも散見され、どうやら女性からも「タイツは格好悪くない」というお墨付きをもらったようだ。
こっそりとではなく堂々と履く存在になってきたところに、レギンスという格好よさげな別名までついたというわけだ。エコ、ウォームビズなどの時代のキーワードも後押ししてくれる。この冬、街を歩く男たちは高確率でレギンスを着用しているはずだ。
レギンスで思い出すのが、「ババシャツ」定着の過程である。暖かいが格好悪い「中高年の女性が愛用する厚い下着」が、あえてババシャツと言い切ることで「実用的で気取らないお洒落な(?)下着」になった。
「寒さを我慢したくない」という女性たちの本音が、お洒落の壁を粉砕したと言えるかもしれない。
寒いのが嫌なのは、男性も同じだったのだ。股引ではなくタイツ、またはレギンスに落ち着くあたり、ババシャツと比べて往生際が悪い気もするが、「股引とタイツとでは形状もフィット感も全く違うので別物」という言い訳は成り立つ。
そして、密かに愛用者が多い防寒下着といえば「腹巻」の存在も忘れてはならない。
こちらもすでに、ユニクロが女性向けに「ヒートテックハラマキ」なるものを展開しており、かなりの人気である。このぶんだと、メンズの登場も遠くない(はず)。
例によって女性たちが「ハラマキ」として堂々と着用しているので、「ボディベルト」といった別名は必要ないだろう。
実用的だが格好悪いものと、実用的で見栄えも悪くないもの。両者の間の壁は高いが、ちょっとしたきっかけで崩れてしまう、「案外脆いバランス」と言えよう。
暖房費の節約と環境問題を考えれば、ババシャツやレギンスを身に付け、厚着、重ね着で過ごすのは合理的である。メディアの一声があれば、ウォームビズどころではない「一億総厚着時代」が到来するだろう。
(工藤 渉)