ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎

日本企業のコミットメントがあれば、道は開ける (下)

――前・南アフリカ特命全権大使 吉澤裕

米倉誠一郎
【第3回】 2015年6月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

日本企業にとってはまだまだ「遠くて遠い国」南アフリカ。当連載の第1回で紹介した「BOPビジネス」の主戦場であるアフリカのなかで、成長著しいサブサハラ地域の拠点となるこの国は、世界を狙うならもはや避けて通れない国だとも言える。前編(上)に続き今回も、南アフリカの実状をよく知る、前・南アフリカ大使の吉澤裕氏へのインタビューの後編(下)を掲載。南アフリカが持つポテンシャルと、その南アフリカが求めている日本企業のコミットメントについて紹介する。

【聞き手:米倉誠一郎(一橋大学イノベーション研究センター教授/プレトリア大学GIBS日本研究センター顧問)】

*インタビューの前編(上)はこちら

ストライキ、黒人優遇策、治安。
南アの三大リスク

よねくら・せいいちろう
一橋大学イノベーション研究センター教授/プレトリア大学日本研究センター顧問 東京都生まれ。一橋大学社会学部(1977年)、経済学部(1979年)卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学歴史学博士号取得(1990年PhD.)。長年、イノベーションを核とした企業戦略、組織の歴史を研究。NPOなどの非営利組織のアドバイザーも数多く務める。また、バングラデシュや南アフリカをはじめとする途上国事情にも精通し、積極的にビジネス/人材交流プロジェクトを推進している。著書に、『創発的破壊 ~未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『企業家の条件』(ダイヤモンド社)など多数。

米倉 それでもまだ多くの日本企業にとって南アは、地政学的、社会的にもリスクがあると感じる国だと言えます。たとえば治安の悪さや、ストライキといった労働問題もよく聞かれます。

 そうした負の部分がより大袈裟に採り上げられる側面もあるかもしれませんが、チャンスがあると感じながらも、南ア進出に逡巡する企業はきっと少なくないことでしょう。そうしたリスクに対する考え方についてはいかがでしょうか?

吉澤 多くの日本企業が感じる南アの懸念要素は大きく3つほどあるのではないかと考えています。まず1つ目は、ストライキなどの「労働問題」です。2012年のプラチナ鉱山を皮切りに、南ア最大の輸出産業でもある自動車産業など、さまざまな産業で労働者ストライキが勃発しています。この相次ぐストライキが、南ア経済成長の足かせともなっているのも事実です。

 そして2つ目はBEE(Black Economic Empowerment)と言われる「黒人の経済力強化政策」です。アパルトヘイト廃止以降、南アではこの黒人優遇策があらゆるところで行なわれています。

米倉 このBEEは、具体的に言うとどのような内容ですか?

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター教授/プレトリア大学GIBS日本研究センター顧]

 1953年東京生まれ。一橋大学社会学部、経済学部卒業。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。ハーバード大学歴史学博士号取得(PhD.)。1995年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年より同大学イノベーション研究センター教授。2012年~2014年はプレトリア大学GIBS日本研究センター所長を兼務。現在、一橋大学の他に、Japan-Somaliland Open University 学長も務める。

 長年、イノベーションを核とした企業戦略、組織の歴史を研究。NPOなどの非営利組織のアドバイザーも歴任。また、バングラデシュや南アフリカをはじめとする途上国事情にも精通し、積極的にビジネス/人材交流プロジェクトを推進している。著書に、『創発的破壊 ~未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『企業家の条件』(ダイヤモンド社)など多数。


Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎

40億人とも言われる巨大マーケット「BOP」の一角を占め、世界一を狙うならもはや避けては通れない市場・アフリカ。世界の企業がこぞって参入するなか、多くの日本企業にとってはまだまだ「遠くて遠い国」だ。そこで、アフリカの現地事情をよく知る米倉誠一郎が、BOPビジネスの主戦場となるアフリカのポテンシャルと日本企業のビジネスチャンスについて、リアルな現地リポートを交えて紹介する。

「Go! Africa ~ビジネス新大陸「アフリカ」という選択肢 米倉誠一郎」

⇒バックナンバー一覧