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クロス職人出身社長が率いる
原状回復工事全国トップ企業
ハウスクリニック社長 田中利治

週刊ダイヤモンド編集部
【第87回】 2009年10月2日
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ハウスクリニック社長 田中利治
(撮影:相川大助)

 賃貸住宅の「原状回復工事」で日本トップのシェアを持つ、知る人ぞ知るベンチャー企業がある。田中利治が率いるハウスクリニックだ。上場する最大手賃貸住宅管理会社から町の個人経営の不動産屋まで、取引先は全国じつに約600社。工事件数は年間約5万件にも上る。

 原状回復工事は単位が細かく納期も短い厄介な仕事だ。工事単価数百円や数千円の工事もあれば、1週間以内に施工しなければならない超突貫工事もしばしば。家財道具や私物もそのままに賃貸人がいなくなってしまい、家財道具の処理作業が伴うことまである。1件100万円以上が一般的な住宅リフォーム工事などと比べても、いかに特殊な工事かがわかる。

 大手が参入できる市場では当然なく、そもそも個人経営の地場工務店などを除いては専業企業がほとんどないのが、この原状回復工事の市場なのだ。

職人サポートとスケールメリットの両輪で成長続ける

 ハウスクリニックはこの超ニッチ市場に特化し、薄利多売の工事を効率的にこなすノウハウを磨いてきた。

 従来、顧客の不動産会社が個別に畳、壁、水回りなどの職人に分割発注していた原状回復工事を一括して請け負い、施工監理や工期の進捗状況の顧客への報告、資材の購買などを行なう。

 実際の施工を行なうのが専属外注として抱える、全国約700人もの職人だ。外注とはいえあらかじめ月間の業務供給量の目安も伝えており、事実上ハウスクリニックの業務に特化している者も多い。

わが社はこれで勝負! 専属で抱える職人には「多能工」の教育を行なう。従来、建設業界は職種で完全分業されていたが、クロス張り、床工事、水回りなどの複数工事を行なうことで、工事費の大幅なコストダウンに成功している

 さらに通常、職人は壁クロス張り、塗装、水回り工事、大工など職能別に分業体制が進んでいるが、同社では1人で複数の作業をこなすことができる職人を自社で育成。工事のコストダウンに成功している。

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