第2弾では
実践のためのアドバイスも

岸見 たとえば、片桐さんの場合、前回出てきた、「子どもにどうしても勉強しなさいと言ってしまう」という悩みについて、考えてみましょう。「勉強しなさい」と親が言わなくなったら、子どもはこれ幸いとばかりにやっぱり勉強しないものです。そこで、勉強しなくて困るのは誰だと思いますか?

片桐 親ですよね?

承認欲求を捨て、<br />「褒められない勇気」を持とう

岸見 いや、親じゃないですよ。

片桐 あ、そうだ、子ども自身です。やっぱり「課題の分離」ができてない(笑)。正直言うと、親も困るんですよね……。宿題やらないと、学校からいろいろ言われたり……って、それは親の立場の問題であって、子どもが勉強をしないことで本当に困るのとは、違うんですよね。

岸見 はい。まずそこを意識してみてください。そして、いまの関係性のままで「勉強しなさい」とガミガミ言っても、子どもとの心理的な距離はますます遠くなるばかりです。我々がよくやってしまう間違いは、子どもと心理的な距離を遠くしてから、援助しようとすること。これでは、援助の手をいくら差し伸べても、つかんでもらえません。

片桐 ああー、それやっちゃってるなあ。