競合会社に勝ち続ける会社の
3つの特徴

 著者はまず、日本に250万社あるといわれる会社を三つの種類に分けて考えます。一つは、つぶれてしまう会社です。1000万円以上の負債を抱えて倒産してしまう会社は年間1万6000社におよぶといいますから、1日平均43社、1時間に2社弱が消滅している計算になります。

 二番目が、生き残る会社。サバイバル企業です。とはいっても、とりあえずつぶれないというだけで、たいした業績も残せず、なんとか倒産は免れている会社です。

 そして三番目が、勝ち残る会社です。売上が伸びていて、利益も拡大している会社。それらの伸び率が業界平均を上回り、なおかつ競合会社よりも高い。著者は勝ち残る会社の共通項として、以下の3つの特徴を指摘しています。

1. 安易な楽観主義に陥ることなしに、厳しく見ても将来的な右肩上がりが読めている。
2. 顧客から評価・感謝され、喜ばれている。
3. 何にもまして社員が幸せを感じ、仕事を通じて自分を磨くことができ、“ワクワクモード”で嬉々として仕事をしている。

 どの業種業界にも当てはまることですが、勝ち残る会社は全体のせいぜい3~5パーセント程度。だからこそ、それを目指す意味があり、そのためには本書をじっくりと読み込み、「経営の原理原則」を頭に入れて欲しい――著者はそう望んでいます。

 経営の原理原則とは、業種業界に関係なく、企業経営の根幹を占める80パーセントの不変の部分を指しています。残りの20パーセントは商品や流通や商習慣の違いといった変動要素であり、この部分は半年から1年も勉強すれば習得できる類のものです。重要なのは、もちろん根幹の80パーセントの「不易」部分であり、本書は半世紀近くにおよぶ著者自身のビジネス経験から導き出した経営の原理原則をコンパクトに集約しました。

  序章から7章までの章立ては、以下のとおり、きわめて明快です。

序章 会社をつぶしてはならない
第1章 厳しい環境だからこそ、語れる夢があるか
第2章 その夢は、社会にとって役立つものか
第3章 夢を語れるだけでなく、目標にして示せるか
第4章 目標を実行に移せているか
第5章 目標に向かってともに進める社員がいるか
第6章 心の通うコミュニケーションはとれているか
第7章 バトンを受け継ぐ者を育てているか

  7つの章にまたがる30の項目は、組織を率いる経営者なら、肝に銘じておかなければならない事柄ばかりです。