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『したたかな生命』著者が語るロバストネス

【第11回】 2008年1月21日
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したたかな生命
北野宏明/竹内薫著 1600円 (税別)

 最近、『したたかな生命』という本を出版させていただきました。この本では、生命の基本的な構成原理である「ロバストネス」という特徴を中心に生物や組織を論じてみました。

擾乱に対する生命の強さ

 このロバストネスという言葉は、あまり耳慣れない言葉かもしれません。日本語では、頑健性と訳されることも多いのですが、正直言ってあまりその本質を表しているようには思えません。確かに、ロバストネスは、いろいろな擾乱に対して、その機能を維持するというシステムの特徴のことなのですが、「頑健」という言葉から来る固いイメージとは違い、よりしなやかでダイナミックなものだからです。

 それは、生物が、いろいろな擾乱に対して、その機能を維持し続けることができるという現象です。われわれは、多くの場合、病気になっても回復しますし、温度や湿度、さらには酸素濃度などが多少変動しても、それに対応します。DNAから遺伝情報は読み取られ、最終的にタンパク質がつくられる際にも、途中のいろいろなエラーに対して一連の修復機構が働いて、正確に情報を読み取ることができる機構を持っています。

 また、仮にエラーが発生したり、環境からの影響で、変性タンパクがつくられてしまっても、これによって直ちに生物の機能が大幅に損ねられたり、死に至ったりしないような機構も存在します。もっとも、何事にも限度というものがありますので、何が起こってもこれらのメカニズムによって生物の機能が完全に維持されるというわけではないのですが、多くの種では、幅広い擾乱に対応できる能力を有しています。

 このような特徴を「ロバストネス(Robustness)」と呼びます。

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