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 善意な団体が仲違いすると、こんな騒動になる――、という見本である。

 仲違いした善意な団体がどこかというと、ひとつは、ペットボトルのキャップを集めるよう呼びかけ、集めたキャップで途上国の子どもたちにワクチンを、という活動をしているNPO法人『エコキャップ推進協会』だ。設立は比較的最近のことで、二〇〇七年になる。本部は横浜だ。

 エコキャップ推進協会の活動は、小中学校や幼稚園をはじめ、自治体、企業、労組、市民団体など約八万五〇〇〇以上の個人・団体が参加する国民的な運動に発展し、これまでに約一二三億個ものキャップが回収されるに至った。わかりやすく言えば、昔懐かしい「ベルマーク」のキャップ版だ。小学生くらいのお子さんをお持ちのお父さんお母さんならよくご存じだろう。

 集められたキャップはリサイクル業者に売却され、その利益が途上国のワクチン代として、別のNPO法人『世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)』に寄付されている。

 寄付金はユニセフを通じ、ポリオや麻疹など感染症のワクチンになり途上国に届けられているのだが、この「寄付金」をめぐり、JCVとエコキャップ推進協会が激しくもみっともなく、実に大人げないバトルを演じたものだからさあたいへん。金が絡むと善意な非営利団体も本性を現すようだ。実にえげつないのである。

 寄付金の額は、キャップ回収運動が始まった初年度(二〇〇六年度)はわずか五万二〇〇〇円だったが、翌年には八九万円に、さらに翌々年には七六〇万円にと、運動が広まるにつれ寄付金の額も増え(=集められるキャップの数も増え)、二〇一一年度には三八〇〇万円が、二〇一二年度には三五〇〇万円もの寄付金が全国から集められた。

 ポリオ(小児麻痺)ワクチンはひとりぶんが二〇円で、それには八六〇個のキャップが必要になるのだそうだ。すると、二〇一二年度の寄付金三五〇〇万円は、一七五万人の子どもたちにワクチンを提供したことになる。これは賞賛に値する数字と言ってもいい。

 この数字だけを見れば、運動を広めたエコキャップ推進協会も、寄付金をワクチンに変え途上国に届けたJCVも、実にあっぱれなNPO法人ということになる。本当にすごいよね、一七五万人の子どもたちをポリオから守ったのだから。

 ところが、だ。エコキャップ推進協会とJCV、それぞれの言い分は、両者を仲違いさせるにまで至ったのである。