ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
吉田恒のデータが語る為替の法則

円高阻止の放棄は「G20密約」なのか?
藤井発言の陰で、アジア諸国に変化が…

吉田 恒
【第47回】 2009年9月30日
著者・コラム紹介バックナンバー

 今週に入り、一時は88円台まで米ドル安・円高が進みました。この大きなきっかけが、藤井財務相による介入否定・円高容認発言とされています。

 しかし、この為替介入否定の動きは、日本だけでなく、一部のアジア諸国にも広がっている模様です。これは、市場参加者の間で、ひそかに取りざたされていることです。

 以上から、私が申し上げたい仮説の結論は、次の2点となります。

(1)日本は介入を「やらない」のではなく、「できない」のではないか?
(2)アジア諸国が、米ドル買い介入で得た資金をユーロや豪ドルで運用しなくなるため、ユーロ買い、豪ドル買いは減少するのではないか?

自国通貨高阻止の「放棄」の
動きは日本だけではない

 米ドル/円は、2009年の年初に87円台をつけて、その後は101円台まで米ドル高・円安が進む場面があったものの、今週に入って、88円台前半まで米ドル安・円高が進みました。

 この動きに対して、日本政府はこれまでのところ、円高阻止介入には動いていないようです。

米ドル/円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

 このような米ドル安・自国通貨高に対して、一部のアジア諸国がこの数ヵ月間、断続的に自国通貨売り・米ドル買い介入に動いていたことが観測されています。

 ところが、最近になって、そのような市場介入が取り止められた模様です。このことが、市場関係者の一部で注目されています。

 それでは、なぜ、市場介入を止めたとの見方が注目されているのでしょうか?

 まず、一部のアジア通貨が最近にかけて、急上昇する場面があったからです。

 この一部のアジア通貨とは、主に、タイバーツ、韓国ウォン、台湾ドルが挙げられます。これらの通貨の上昇は、市場介入によって阻止されてきたわけですが、上昇再燃となったことで、介入取り止めの可能性が注目されたわけです。

 ところで、自国通貨を売り、米ドル買い介入で得た米ドル資金は、米ドル安による減価を懸念して、ユーロや豪ドルにシフトしてきたと理解されてきました。

 この数ヵ月間、ユーロや豪ドルが対米ドルで上昇してきた一因は、こういった買いの影響もあったのでしょう。

 ところが、最近では、ユーロ高、豪ドル高が、頭打ちとなっているのです

記事の続きを読む

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


吉田恒のデータが語る為替の法則

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

「吉田恒のデータが語る為替の法則」

⇒バックナンバー一覧