結果が出ない人がやりがちな
3つの間違い

(1)正しいフォームで行っていない

 実はこれが「本のとおりにやったのに効果が出ない」一番の原因でもあります。最大の理由は、ほとんどの方が「トレーニングの回数」に意識がいってしまうから。
 たとえば、「スクワット」は、数あるトレーニングの中でも特にポイントとなる種目ですが、体の可動だけを簡単に言葉にすれば、イスから立ち上がったり座ったりする動作と同じ動きです。
 これをどこの筋肉にも意識を向けることなく行うだけなら、さほど体力や筋肉のない人でも何十回、何百回もすることができます。しかし、正しいフォーム(脚の向き、力の入れ方、しゃがむときの角度など)で行おうとすると、普段鍛えている人でも数十回で限界に達します。

(2)適正な負荷がかかっていない

 たとえば、従来の方法で腹筋を50回、毎日続けたとしましょう。最初の1ヵ月は、なんとなくお腹が凹へこんできたと実感できるかもしれません。
 しかし、残念ながら、筋肉は慣れていきます。トレーニング初日の50回と、1ヵ月後の50回では、筋肉に対する負荷はまったく違います。
 これは筋肉の特性と関係があります。筋肉は、その持っている能力をどれだけ出そうとしても100%使うことはできません。100%発揮してしまうと、筋繊維が回復できないほど切れたりするので脳からブレーキがかかるのです。ですから筋肉はいつも余裕を持っているのです。
 これまで運動経験のある人の場合、全力を出しているつもりでも全能力の40%程度、運動経験のほとんどない人で30%程度しか出していないと言われています。
 筋肉は、今の筋肉量では余裕がない(危険)と感じることで、筋肉を発達させる命令を出します。そのセンサーが働くのは大体全能力の50%。このラインから、筋肉が損傷を起こし出すので、そのあたりと関係しているのではないかと言われています。
 一般の方の場合、トレーニングで「もう限界!」と思うあたりからもう一踏ん張りしたぐらいで、ようやく50%を越えているくらいと考えてよいでしょう。