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三越、赤字体質脱却なるか
地方7店を別会社化

週刊ダイヤモンド編集部
2009年9月29日
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 売り上げ減が止まらない百貨店業界で、三越が構造改革の一環で地方店を別会社化する。2010年4月に、札幌、仙台、名古屋、広島、高松、松山、福岡の7店が別会社となる。

 目的は、単店ベースでの黒字化。都心の大型店で利益を出し、地方店の赤字を賄う構図を是正しようというものだ。

 別会社化で、コストカットの対象になるのが社員の給料である。三越の場合、東京を100とすると、地方店の基本給は94で、あまり差がない。たとえば、高島屋は03~04年に地方4店を分社化し地方単店での黒字化に成功しているが、東京100に対して地方は80の水準といわれている。

 三越は別会社化で、地方店の賃金水準を東京の80~90にまで引き下げる予定だ。差額保証制度や退職金を割り増しする早期退職制度を用意するが、割を食うのは中堅幹部クラスである。

 若手は給料の減額幅が小さく、同時に新人事制度への移行でマネジメントへの登用チャンスが増えるが、中堅は減額幅が大きく、最大で16%のカットになる。

 そもそも、大手老舗百貨店の三越は、特に地方では賃金水準が高かった。今回、基本給が16%カットになったとしても、同じ地域の同業他社より高い水準にとどまる。一方で三越の地方店は売上高規模では、地域2番店、3番店が多く、低い収益性であることがうかがえる。すでに08年度下期(08年9月~09年3月)は営業利益が赤字で、09年度は通期で赤字の見通しだ。

 ただ、業績回復を示さずに、賃金を引き下げるだけでは、社員のモチベーションは下がる一方だ。経営陣は今回の構造改革と引き換えに、一刻も早く業績を回復させなければならない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 須賀彩子)

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