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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

セブンイレブンvs.ローソンに見る出店戦略と
流通業界のコスト管理にメスを入れる!

高田直芳 [公認会計士]
【第9回】 2009年6月5日
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 この時期はすでに09年3月期に係る決算発表が一通り終わったので、3月決算会社の総括をすべきところである。ところが話題が多すぎて、どこから手を付けていいのかがわからない。

 本連載で過去に取り上げた自動車業界(第1回~第3回)や電機業界(第4回~第6回)に係る本決算の総括については、「三重銀総研」主催の講演会で語らせていただく。「ここだけの話ですがね」というオフレコは、東京や大阪のような大都市で行なうものではなく、四日市市という地方の片隅で、少人数相手に行なうからこそ味わい深い内容になる。

 ということで今回は、前回・前々回と続けてきた小売業界の締めとして、コンビニエンスストア業界を扱う。実は、筆者はコンビニでアルバイトをした経験がある。女子高校生たちと一緒に、同じ時給で働いたことがあるのだ。

 別に恥ずかしいことだとは思っていない。筆者が制作している原価計算システムのノウハウは、そのすべてが現場体験で得たものだからだ。空調のきいたオフィスにこもって、理論書を読んで組み立てられた「観念的システム」と同列に見られるほうが、よほど心外である。

「魚鱗型」セブンイレブンと
「鶴翼型」ローソンの出店競争

 今回は決算書以外のデータに注目して、セブンイレブンとローソンを比較してみよう。そう思い立ったのは、筆者の住む小山市で、セブンイレブンの店舗が異常に多いと感じているからである。自宅から駅へ行くまでの5キロ程度の距離で、どのようなコースを通っても、少なくともセブンイレブンの看板を3か所は見る。

 栃木県の県庁所在地である宇都宮市と比べて、「出店数」や「1店あたりの人口」を調べた結果が〔図表 1〕である。セブンイレブンの「1店あたりの人口」を見比べると、宇都宮市(6,060人)と小山市(5,621人)では小山市のほうが少なく、市街地がいかにセブンイレブンの看板で溢(あふ)れかえっているかがわかる。

〔図表1〕宇都宮市と小山市におけるセブンイレブンとローソンの比較

 全国規模の出店数を調べたところ、セブンイレブンは約12,000店舗であり、ローソンは約8、600店であるから、〔図表 1〕の「出店数」の比較で、セブンイレブンがローソンよりも2倍以上の店を展開していることがわかる。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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