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DOL特別レポート
2015年6月11日
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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

IoTでは「システム」が価値を生む
日本企業の「ハード重視」は危険
――日の丸IoTの成否(3)

 このシステム、既に我々の生活のあらゆるところで使われている。

 経路検索はもちろんのこと、ウェブの検索、メール、アドレス帳、スケジュール帳、FacebookなどのSNS、ゲーム、ネット通販、財務会計など、我々が普段利用する多くのものがシステムによって提供されているのだ。

 そしてIoT化が進むと、この傾向はさらに強まることになる。

 テレビ、オーディオ、掃除機、冷蔵庫、電動アシスト自転車、乗用車などあらゆる機器がネットワークにつながるようになると、これらの機器が部品化し、システムと連動しながら機能することになるからだ。

ビジネスモデルさえ転換する
IoTの「タイムマシン的機能」

 IoTの価値として「進化する機器」、「製品の部品化」について述べた。

 もう一つ、これらと並んで重要なのが「統計化」である。IT業界では「ビッグデータ」と呼ばれているものだ。

 実はこれが「タイムマシン的機能」を創出する。

 機器がネットワークにつながるようになると、システム側には様々なデータが集められるようになる。そのデータを統合して「統計化」を行えば、これまでは把握できなかった傾向が見えるようになってくる。

 例えば、日本全国のテレビとハードディスクレコーダーがネットワークにつながり、全機種の視聴情報や録画予約情報を集められるシステムがあったとしよう。

 日本全国の瞬間視聴率をリアルタイムに正確に把握できるのはもちろんのこと、録画予約情報を集めることで、近い将来に放送される番組がどの程度視聴される可能性があるのかを予測することができるのだ。

 そうなると、過去や現在の視聴率だけを参考に広告を打つのではなく、将来の視聴率を参考に広告を打つ企業が出てきてもおかしくないだろう。

 同様にあらゆる人の過去、現在、未来のスケジュールを束ねることができれば、ある場所のどの時間帯にどれだけの人が集まるのかを予測することも不可能ではなくなる。それが分かれば、混雑を避けるために別の場所を案内するなど、付加価値のあるサービスを提供することも夢ではない。

 このように、ネットワークを通して履歴、リアルタイム情報、予定に関する個別の情報を集め、それらを束ねて統計化することができれば、過去、現在、未来についてのトレンドが把握できるようになる。

SPECIAL TOPICS

伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

いとう・しんすけ/株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長。1973年生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現、経済産業省)に入省。経済産業省では、自動車用蓄電池の技術開発プロジェクト、スマートハウスプロジェクト、スマートコミュニティプロジェクトなどの国家プロジェクトを立ち上げた後、2011~2013年には航空機武器宇宙産業課において航空機産業政策に従事。2014年7月に経済産業省を退官し、超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOをznug design根津孝太と共に設立。


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