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 これならわかるよ!経済思想史
【第2回】 2015年6月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

日本語の「自由主義」と「リベラリズム」は
何がどう違うのか?

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 ついでに補足すると、米国は2大政党で、実質的に共和党(自由主義・右派)と民主党(リベラル・右派)しかありませんが、共和党と民主党にはそれぞれ右派と左派がいます。

 英国も2大政党は保守党(自由主義・右派)と労働党(社会民主主義・左派)で、第3勢力の自由民主党(社会民主主義・左派)は保守党との連立与党です。

 ドイツもキリスト教民主同盟(自由主義・右派)と社会民主党(社会民主主義・左派)が2大勢力で、どちらも議席は過半数を取れず、右派と左派の2大政党が連立政権を組んでいます。第3勢力として自由民主党(リベラル・中道右派)もあります。

Q それぞれの国の政党は、対応する経済学と政治思想に基づいて行動しているのでしょうか。もっと曖昧な印象がありますが。

 先進国の政党のバックボーンは3つの経済学(経済思想)にありますが、現実の政策は、自由主義、リベラル、社会民主主義政策の組み合わせで案出・執行されています。100%の自由放任国、100%の社会民主主義国はありません。

政策は3つの思想のあいだを揺れ動く

 基本的には3つの経済思想はすべて資本主義市場経済と議会制民主主義に立脚しているので、3つを組み合わせることができます。中国など状況が違う国もありますが。

 実際の政策は、この3つのあいだを揺れ動いていて、右の自由主義政策がうまくいかなくなると、左のリベラルと社会民主主義政策に振れます。逆に左の「大きな政府」が非効率で立ち行かなくなると、右の自由主義政策にシフトします。

 この振れ方や軽重には、選挙で多数となった政党の政治思想が反映されます。連立政権の場合、勢力の差によって左右のバランスが変わるわけです。だからこそ、バックボーンである3つの経済思想をおさえておくことが重要なのです。議席のシェアを決定するのは有権者の投票行動だからです。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


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