実需に徹した
質実剛健な選択

 住宅価格が高騰し始めると、なぜか人は「買い」に走る。私が住む豊洲でも、築10~15年の初期の分譲マンションから、同じエリアの新築タワーに住み替える動きが加速している。

  その一方で投機的な動きもあり、夜になっても窓に灯がともらない、明らかに人が住まない住戸も目立ってきた。マンションの住み心地は日々の管理に支えられ、管理は安定した居住者がいて初めて成り立つ。値上がり期待で寝かせている空き家や賃貸用住戸が増え過ぎたマンションは、管理面で苦しい状況に陥るかもしれない。

gr 65歳以上単身者の住居事情(東京都) 借家率 45.4% 34万5000戸 持ち家率 54.6% 41万3900戸
(出所)国土交通省「平成25年住宅・土地統計調査」
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 こうした時期に、中古住宅購入を検討している人はどうすればいいのだろうか。

 あくまで私見だが20年以降に”時化”が来るなら、住宅価格の下落を待ってもよいはずだ。

 そうでなく、今買いたいのであれば、本当に価値の落ちない物件を選ぶべきだ。リフォームした内装や、取り換え可能な設備などに目を奪われず、建物の構造、周囲の環境など「変えられないもの」を基準に選ぶ。

 駅からの距離、耐震など安全性も大事だ。実需で買うなら、今こそ実需に徹した選び方をすべき時ではないか。

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chuko

この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2015年7月25日号『はじめての中古』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。

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