前回、人事の時間をとられる業務の1つに「データ分析」があると書きました。人事データベースには制約が多く、データを集める行為自体にかなりの労力がかかるという話です。また、人事の世界では定量よりも定性的な情報に頼った判断を行っており、主観に陥りやすいとも書きました。

今回はそれとは逆の話をしたいと思います。
社員意識調査を題材に、HRビジネスパートナーの役割について考えます。

意識調査データを
正しく活用できていますか?

 多くの会社で、「社員意識調査」が実施されています。コンサルタント時代、多くのクライアント企業に対して意識調査(呼び方はエンゲージメント調査、満足度調査などさまざまです)の設計・実施・分析のお手伝いをしていました。

 目的はさまざまで、定型的な項目で調査を行うことで他社比較や経年観測を重視したい企業もあれば、自社固有の課題の解決に向け、仮説を構築して検証するために、ゼロベースで調査項目を設計する企業もありました。

 コンサルタントとしては後者のアプローチにやりがいを見出すわけですが、どちらのパターンだとしても設計する側はさまざまな意図をもって、できるだけ科学的に分析を行い重要な示唆を導き出そうとします。

 それでは回答者側の、社員の視点ではどうでしょう。

 ありとあらゆる種類のアンケートが世の中にあふれている中で、会社でもアンケートに答えよと言われ、うんざりしてはいないでしょうか。

 街頭アンケートなら何か謝礼をもらえることも多いですが、社内アンケートである意識調査では、回答が半ば義務化されている割に、何かもらえるわけでもありません。

 そうした中、企業(人事)としては、そもそも何故、意識調査をしたいのか、考える必要があるでしょう。できるだけ多くの社員の声を拾いたい、正しい経営が行われているか確認したい、という動機も多いと思います。

 しかし、そういう企業(人事)の側が、まず正しく意識調査を実施し、結果を活用できているのでしょうか。