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暑くないのにやたら汗をかく「発汗過多」の怖い話

降旗 学 [ノンフィクションライター]
2015年6月27日
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 今年もまた暑い夏がやってきた。汗っかきにはつらい季節だ。

 ということで、今回は汗にまつわるお話を。気になりますよね、汗の臭いや、黄ばんだ汗染み。電車に乗っていると、自分の体臭が周りに迷惑をかけていないかとオドオドする季節です。

 発汗というのは〈汗をかくことで熱を発散し、それが蒸発して冷却効果を起こし、体温を下げ三七度前後に保つ〉役割のことだ――、と早田台史医師は言う。言うなれば、エアコンや冷蔵庫のエバポレーターと同じだ。

 汗は『汗腺』から出てくることは知っていたが、『エクリン汗腺』と『アポクリン汗腺』の二種類があることを初めて知った。そして、アポクリン汗腺から出る汗が、「汗染み」や「臭い」の原因になることも。

 「頭、顔、背中、手足を中心に全身にある『エクリン汗腺』か出る汗の主成分は水で、酸性。汗孔(かんこう)から排出され基本的にニオイはない」(早田医師)

 だから、エクリン汗腺から出る汗は、体臭の原因にはならない。

 「わきの下やまぶた、鼻、耳の穴、乳首周辺、へそまわり、陰部などに多く存在する『アポクリン汗腺』から出る汗はアルカリ性。水分が少なく、脂肪やたんぱく質、アンモニアなどを含んだ粘り気ある汗が毛穴から出ます」(早田医師)

 留意すべきは、エクリン汗腺が酸性なのに対し、アポクリン汗腺がアルカリ性だということだ。アルカリ性の食べものを摂取すると身体にいいとよく言われるが、アルカリ性の汗は、どうやらあまりよろしくないらしい。

 アポクリン汗腺も無臭ですが――、と前置きして早田医師が続ける。

 「無臭ですが、肌の細菌は感染し分解されると脂肪酸になり、ニオイを出す。これが黄色い汗染みや腋臭症(わきが)の原因となるのです」

 どんなに清潔に暮らしていても、私たちの顔、皮膚には「常在菌」と呼ばれる細菌や真菌がウヨウヨ、もしくはウジャウジャといる。私たちと同じで、細菌も生きていくには栄養が必要になる。それが、アポクリン汗腺から出るアルカリ性の汗だ。

 細菌は汗や皮膚の脂肪を分解し自分たちの栄養にするが、そのとき脂肪酸などを産生する。脂肪酸というのは腐敗したものの中に多く存在するため、ときには汗臭かったり、ときには獣臭かったり、山羊臭のような体臭になるのだそうだ(加齢臭の原因とも言われている)。とにかく不快な臭いなのである。足が臭いという人は、足の裏の汗腺から一日にコップ一杯ほどの汗をかいているかららしい。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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