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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

ガラパゴスの元凶は
「正解が1つ」の日本の教育制度だ

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第14回】 2015年7月6日
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趣味を通して楽しみながら
「失敗体験」を

 同様に、「趣味」を持つことも大変重要です。私の友人の成功者は全員、3種類以上の趣味を持っています。ここでいう趣味とは、資格や段を取るための習い事ではありません。強制されるものではなく、好きなことを自発的に行う行為のことです。

 なぜ趣味が重要なのか。それは、失敗を楽しく経験できるからです。自分で「Why」を問いかけ、答えを見つけていく過程では当然、うまくいかないこともあります。うまくいかなければ、人はその理由を考え、分析し、工夫して次のチャレンジに生かそうとします。そうするうちに、いつかは成功へとたどりつくでしょう。しかし、こうした失敗から学んでいく過程や失敗の生かし方を知らないまま大人になると、失敗するのが怖くなり、何もチャレンジできなくなってしまいます。

 だからこそ子供の頃に、失敗から学ぶ機会をできるだけ多く設け、「失敗なんか怖くない、どんどんチャンレンジするぞ」というマインドを育てていくことが必要。楽しくて熱中できるような趣味を持たせるべきだと私は思います。

 そうした経験をすることで、応用力や展開力も身につきます。例えば、大人が趣味としてよくやる「ゴルフ」は、自分でスイングを工夫しながら上達していくわけです。さらに、人間関係が広がるのも趣味のメリットの一つといえるでしょう。

20年後、人が人工知能に勝てるのは
「クリエイティビティ」だけ!?

 ボランティアや趣味に共通しているのは、単純な知識や情報とは異なり、実体験を通じて知恵や創造性を養うことができる点です。

 こうした教育が大切なのは、今年小学校に入った子供が社会人になる頃、つまり今から20年後には、社会が大きく変わっているからです。今世の中に存在している職業の65%が機械やソフトウェアに置き換えられると言われています。つまり、コンピュータに仕事がどんどん奪われていくわけです。

 そんな世の中で、人間が唯一武器にできるのが「クリエイティビティ」です。私たち人間が人工知能に勝てる術は、もうこれしかありません。これからの子供には、暗記力や計算力ではなく、この力こそが必要なのです。

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齋藤ウィリアム浩幸
[内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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