何度もお伝えしている通り、大人のファッションには「ふつう」がとても大切です。パッと見では大して特徴のないシャツを選ぶことが実は大切なのです。よい服にはわかりやすい装飾はなく、とてもシンプルです。ベーシックな服を選ぶうえで、具体的には以下の3つのポイントをしっかりと確認してみてください。

【(1)できるだけシンプルな「無地」の服】
 ベーシックな洋服とは、やはり「無地」になります。特にシャツやTシャツ、スカートなどを選ぶ際、文字が入っていたり、花柄が入っていたり、そういったわかりやすい特徴のあるものには安易に手を出してはいけません。柄物を選ぶのにはコツがいります。失敗するとチープな印象にもなりかねません。飛び級をせずに、まずはシンプルな「無地」を選ぶことが大切です。

【(2)単色の合わせやすい服】
 ベーシックな衣服はたくさんの色を使っていません。一見無地に見えるシャツでも、襟が二重になっていたり、襟の裏に切り返しが使われているものも少なくありません。2色以上使われている服は、他の服との合わせ方がとてもむずかしいのです。多くの色が使われている服はごちゃごちゃした印象にもなりますし、バランスが取りにくく、安っぽく見えてしまうことがありますので注意が必要です。まずは必ず単色で構成されている服を選んでみてください。

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【(3)無駄な装飾がついていない服】
 刺繍がしてあったり、レースがついていたり、そういった「装飾」は柄物と同様に上級者向けなので、基本を押さえるまでは我慢しましょう。装飾のある服はお店の中でも目立つので、どうしても魅力的に感じてしまいます。しかし、そういったおしゃれさを主張しているアイテムは、実際街で着ているとむしろ安っぽく見えてしまうことが多いのです。できるかぎりシンプルなもの、装飾がないものから選ぶようにしてください。

 まずは以上の3つのポイントを意識しながら、洋服を買うようにしてみてください。もしかしたら「でもベーシックってなんか退屈そうじゃない?」なんて思う方もいるかもしれません。それは誤解です。むしろこのようなベーシックなアイテムだからこそ、ひとつひとつ個性がぶつからないため、さまざまな着こなしが可能になるのです。

 個性の強い服で主張するのではなく、組み合わせによって個性を出すことが大人のファッションの愉しみ方の1つです。