手の訓練
――小さなものがつまめるようにトレーニングする

 この時期の赤ちゃんは手でものをにぎることができて、力は前の時期より強くなり、重いもの、大きいものもにぎれるようになっていますが、指でつまむことはまだへたです。

 まわりに興味をひくものが見えたら、そのほうへ向かって手をのばします。
まわりで音がしたら、その方向に顔を向けて目で見てから手をのばします。興味のあるものをつかんで、手もとへ寄せて、その性質を調べます。

 しかし、手の指を上手に使うことはできません。ひとさし指と親指の2本で小さなものをつまむのも上手にはできないのです。

 この時期には、小さなものをつまむことが上手にできるようにすることが大切です。この指の動きの練習ができるおもちゃを与えなくてはなりませんが、よいおもちゃがあまり売っていませんので、いろいろ工夫します。

 小さいものは指を使うようにするために必要なのですが、困ったことに口のなかへ入れて探索することもあれば、ときどき飲みこんでしまうこともあります。

 小さくて安全なものは、なかなか見つからないでしょうから、小さな品物をおもちゃにし、口ヘ入れても飲みこまないよう教えこむしかありません。つねに監視して遊ばせることになります。

 もったおもちゃは落としてもこわれないものがよいですし、赤ちゃんがふったりすると音が出るものがよいのです。

 ベッドにいる赤ちゃんが、偶然に腕をのばしたときに、ガラガラヘビのおもちゃにあたって音がしたので、それがあることに気がつきます。

 音を出すのがおもしろいので、赤ちゃんはくり返し腕を動かし、音を鳴らすようになります。赤ちゃんの興味をひくのは適当に新しいものでないといけません。

 いつも同じものではあきてしまいます。また、まったく新しいものでも、赤ちゃんがそれまでに知っているものと関連づけられないものには興味を示さないものです。

 ですから、中程度に新しいものをたえず与えるようにしなくてはいけません。

 そうすると、外のものと、赤ちゃんのする行動との関係を理解していくのです。

 この時期の手の訓練は、一本一本の指でものがつまめるようにすることと、手でさわって知る世界を豊かにすることです。

右手と左手もかたよることなく使わせることです。

 また、おもちゃの大きさも、赤ちゃんが手でにぎって、動かせるぐらいのものでないといけません。