「なぜか笑介」には、ほかにも豊かな人間関係がたくさん描かれています。口やかましい直属の上司は、しばしばモノサシで笑介をひっぱたきますが、夜な夜な飲みに連れ出して、さまざまなアドバイスをしてくれます。笑介の失敗をフォローして、奔走することも一度や二度ではありません。

 笑介の採用を決定した人事部長は、後に取締役となりますが、笑介の成長を気にかけ、これまた飲みに誘ったりします。

 もとより、飲みに誘えばいいというものでもありませんし、これが牧歌的な時代のマンガであることも事実です。

 なにより肝心なことは、「なぜか笑介」の時代には二度とは戻れないということです。

 昔はよかった、などと寝惚けたことを言うつもりはまったくありません。昔は昔で、ウェットな人間関係や、上司や先輩と酒を飲むのが鬱陶しかったこともありました。「給湯室の会話」がなくなった今でも、上下関係のストレスに打ち勝って成長する若手だってたくさんいるでしょう。

 しかし、会社が「仕事をするだけの場所」ではなく、いろいろな意味でもう少し余裕を持つことができたらどうなるでしょうか。

「職場環境の人間化」によって、若手はより育ちやすくなるのではないか、と思うのです。


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