これからの歯科治療は
超高齢社会への対応が不可欠

 今、日本の歯科医師会が抱える問題の一つに、超高齢社会への対応があると篠原院長は言う。

「歯だけを治すのではなく、口腔機能を保持して“食べる・話す・笑う”を助ける治療が求められるのがこれからの日本の歯科治療です。口腔ケアというと口の中の掃除、と誤解している歯科医師もいますが、嚥下のリハビリテーションから唾液腺のマッサージによるドライマウスの予防に至るまで、トータルに行うのが本当の口腔ケアです。信頼できる歯科選びの際にも、このような取り組みをしている医院を探してみるのもよいでしょう」

 篠原長寿歯科でも高齢者に対応した治療に力を入れており、歯の健康はもちろん、かみ合わせやそしゃく、嚥下などの指導も実施。正しい口腔ケアによる高齢者歯科治療を行っている。また、院内はバリアフリーで、増加する車いすの患者にも対応。自力での移動が困難な高齢者や障害者のために、診察台に移乗することなく治療が受けられる〝車いす治療室〟も設けている。

「歯科医院は、単に歯を治すだけの場所ではない。自らの口で食事をし、笑って暮らせる健康長寿をサポートすることが役割です。当医院で訪問医療を実施したり、無料送迎車や車いす用リフトを完備したりしているのも、歩行の困難な方や遠方にお住いの患者さんにも対応するため。超高齢社会の日本で、健康長寿を守るために歯医者ができることは、まだまだたくさんあるのです」

 歯や口の健康を維持するためには、歯科医師の存在が不可欠だ。だからこそ私たち患者も、自身の歯の健康を医師任せにしてはいけない。正しい知識を持った患者が増えることで、歯科医師も育てられる。患者が受け身ではなくなることで、日本の歯科医療も高い水準へと押し上げられるはずだ。