株式レポート
7月6日 14時28分
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上海株は好材料が揃って反発でのスタートか 香港株はギリシャの「No」で続落か - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 大幅続落 空売りや信用取引の強制決済による売りなどが下落に拍車―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は続落しました。ハンセン指数は週間で2.2%下落し、2万6,064ポイントで終了しています。また、上海総合指数は週間で12%下落し、3,686ポイントと心理的な節目の4,000ポイントを割り込みました。

先週の上海総合指数は政府が複数の株価対策を実施したにも拘らず、投資家心理の冷え込みは戻らず、国内外の空売りや相場急落を受けて信用取引の強制決済による売りが売りを呼ぶ動きが出ました。過去3週間の下落率は28.6%に達しました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

中国のパスポート保有者のトランジット・ビザ(乗り換え用の一時滞在査証)に関する規制緩和で、マカオを訪れる中国本土客のカジノ出費が増えるとの思惑から、カジノの銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテインメント、ホテル・レストラン、0027)や金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)が揃って週間で5%超上昇しました。また、中国移動(チャイナ・モバイル、無線通信サービス、0941)や中電控股(CLPホールディングス、電力、0002)などがほぼ先週から横ばいとなりました。

<下落>

商業不動産大手の大連万達商業地産(萬達商業、3699)は、戦略投資家の中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)が保有株式の一部を売り出したと伝わり、週間で8%超の下落となっています。また、香港交易及結算所(香港証券取、各種金融サービス、0388)も大きく売られ、週間で8%余り下げました。さらに、保険や銀行などの金融株も軟調に推移しました。なかでも、中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)及び中国工商銀行(1398)が大幅に値下がりし、2銘柄でハンセン指数を140ポイント余り押し下げました。

先週発表された主な経済指標

7月1日 中国製造業PMI 6月 50.2 市場予想 50.4 前月 50.2

6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2と、市場予想の50.4を下回り、前月から横ばいでした。俯瞰してみると、2か月連続で好不況の判断の節目となる50を上回ったことは景気底入れを確認したものの、6月分が市場予想に届かなかったことから緩やかな持ち直しの動きはまだ時間がかかりそうです。

内訳をみると、生産(52.9)は前月から横ばいとなったほか、新規受注(50.6→50.1)や、雇用(48.2→48.1)などは小幅に悪化しました。一方、在庫(48.2→48.7)が前月と比べてわずかな改善がみられました。



今後発表される主な経済指標

7月9日 生産者物価(PPI、前年比) 6月 市場予想 -4.6%、前回 -4.6%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の47.6から48に小幅に改善したため、6月のPPI は-4.6%と前月から横ばいと見込まれています。

7月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 6月 市場予想 +1.3%、前回 +1.2%

一部食料関連価格が上昇したことを受けて、6月のCPIは前年比+1.3%の増加と予想されています。

マーケットビュー
―上海株は好材料が揃って反発でのスタートか 香港株はギリシャの「No」で続落か―

本土市場では上海総合指数が1週間で12.1%安と大幅に続落しました。先週も売りが売りを呼ぶ流れが続き、下げ止まらない展開となりました。要因としては、国内外の空売りや、相場急落を受けて信用取引の強制決済による売りがさらなる売りを誘発したことが挙げられます。複数の支援材料(前週末に発表された追加利下げや預金準備率の引き下げ、年金基金による投資規制の緩和、取引手数料の引き下げや信用取引規制の緩和など、詳細は下記の付録を参照してください)が相次いで発表されたにも拘らず、センチメントが改善せず、上海総合指数はこの3週間で下落率が28.6%に達しました。

下記のような好材料が揃って、今週の本土市場は反発して取引が始まっています。①中国の大手証券会社21社は7月4日、総額1200億元(約2兆4000億円)以上を株式投資にあてることを柱とする株価の下支え策を発表しました。②中国政府系の金融持ち株会社、中央匯金投資は5日、株式市場で上場投資信託(ETF)を買い入れたと発表したほか、同社は「今後も市場操作を継続する」と表明しました。③中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)は5日、信用取引関連の株券・資金貸借を手掛ける中国証券金融の資金規模を拡大することを決めたと発表し、具体的には中国人民銀行(中央銀行)が各種手法を通じて中国証券金融の流動性(特に信用取引の流動性)確保を支援することになりました。④証監会は今後新規株式公開(IPO)社数を大幅に減らすことや、株価指数先物を利用した悪意のある空売りに対して厳正な処分を行うことなどを明らかにしました。加えて、先週12%余り下げた上海総合指数はボリンジャーバンドやRSIなどのテクニカル指標に軒並み売られすぎのシグナルが出ていることもあり、自律反発となる可能性も高いとみられます。

香港市場では7月1日が香港特別行政区設立記念日で休場のため4日間の取引となり、ハンセン指数は4日間で2.2%安と続落しました。中国本土市場の大幅続落を受けて本土系銘柄が売られたほか、ギリシャ懸念の拡大によるリスクオフが相場の重石となりました。また、ギリシャで財政再建策の受け入れを問う国民投票や米国の雇用統計などを控えて様子見ムードが強まった中、中国政府の株価対策が一定の下支え要因となったものの、買いは限定的でした。

上述の中国政府の好材料が好感されるものの、ギリシャの国民投票で、欧州連合(EU)などが示した緊縮策の受け入れ反対派が勝利したことでギリシャのユーロ離脱懸念が一段と高まり、国際投資家がリスクオフの姿勢を強める中、今週のハンセン指数は上値が重い展開となりそうです。

なお、9日中国の6月の消費者物価指数や生産者物価指数の発表があり、注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

付録

中国人民銀行は6月27日、28日から貸出金利(期間1年)を0.25%下げて4.85%、預金金利も0.25%下げて2.00%とすると決めたほか、農業向けや零細企業向け融資が一定の基準を満たす一部の銀行について、強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.50%引き下げるなど、追加の金融緩和を決定しました。

29日夜に中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が国内外からの長期的な株式投資を支持する方針を示しました。

30日に中国人力資源社会保障部などが年金保険基金の運用資金の一部(最大全体の3割の1兆元、約20兆円)を株式に投資することを認める草案を発表しました。また、中国政府発展改革委員会が景気下支えに向けて鉄道網、高速物流網、新興産業、製造業のコアコンピテンスを強化し、軌道交通や現代物流の4分野への投資を強化すると発表しました。

7月1日夜に中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が、①8月1日から上海と深センの証券取引所が一部の株式売買手数料を引き下げる(0.00696%から0.00487%に30%引き下げる)ほか、②信用取引業務の規制緩和を盛り込んだ「証券公司融資融券業務管理弁法」を公表し、③証券会社の債券発行業務も緩和することを発表しました。特に②については、投資家が証券会社から投資資金を借り入れる取引で、担保比率が強制決済基準の130%を下回らないよう投資家が2営業日以内に追加担保を差し入れ、その後は担保比率を150%以上に維持する義務規定を撤廃したことや、証券会社と顧客が自主的に担保追加の期限と比率を決めることを認め、証券系社が顧客の担保を処理する場合に強制決済以外に手段がない現状を改めました。

7月2日夜に中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)が「市場価格を操縦しながら悪意の空売りする行為を徹底的に調査する」と発表しました。

7月3日に中国金融先物取引所が19の空売り口座を1か月取引停止としました。

7月3日に証券最大手の中信証券が信用取引の強制決済基準である担保比率を150%から140%に引き下げました。

7月3日に政府系ファンドである中央匯金が6月29日から連日で計百億元超(約2000億円)のA株のETFを購入したのを確認しました。

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