株式レポート
7月6日 16時43分
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ギリシャの運命と金融市場への影響は? - 世界経済のトレンド丸解り!今週の注目レポート

 「部長、おはようございます!」
「槙原君、おはよう。今週のポイントは?」
「今週は、週末のギリシャ国民投票で債権者側の改革案について反対が賛成を大きく上回ったことを受けて、EU側の対応とギリシャの今後の運命が注目ですね!」
「EU離脱は嫌、でも財政緊縮も嫌、ではEU側も交渉のしようがないに見えるが、どうかね」
「困ったものですね!中国当局は何とか株価を下支えしようと、なりふり構わない姿勢なのに!」
「『なんでも嫌』と『なんでも屋』だな。一文字で大きく変わるものだな。槙原君、君はどっちだね?」
「私はもちろん、『飲んでも屋』です笑!部長もですよね?」
「・・・否定できないのが辛いところだな」

詳細は以下をご覧ください。

今週の注目レポート・重要ニュース

【1.米国】

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で216ドル安と前週に続き続落しました。6月28日の日曜日にギリシャのチプラス首相が債権団の提案を国民投票にかけると表明し、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まったことで世界的に株安が進んだ流れを受け、ダウ平均は29日に350ドルの大幅下落となりました。翌日、翌々日には株価は反発しましたが、29日の下げを埋めるまでには至りませんでした。なお、7月3日は独立記念日の振替休日のため休場でした。

1-1.米ISM製造業景況感指数

1日に発表された6月のISM製造業景況感指数のヘッドラインは53.5と前月の52.8から改善し、市場予想の53.2を上回りました。3ヵ月連続での改善となり、冬場の落ち込みからの改善が鮮明となりました。指数の内訳を見ると前月から改善したのは「新規受注」・「在庫」・「雇用」の3項目で、「生産」・「入荷遅延」の2項目は前月から悪化しました。特に「雇用」が51.7→55.5と3.8ポイントの改善で、ヘッドラインの改善を牽引しました。

1-2.米雇用統計

2日に発表された6月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月差22.3万人増と市場予想の22.5万人増を小幅に下回りました。あわせて5月分と4月分の遡及改訂が行なわれ、累計で6万人の下方修正となっています。また、労働者の平均時給は24.95ドルで前年同月比2.0%増と市場予想の2.3%増を下回り、前月からは横ばいでした。労働市場の質的改善を示す指標として期待が高かっただけに、やや失望感が大きかったと言えそうです。 やむを得ずパートタイマーとして働いている人を失業者としてカウントして算出するU-6失業率が前月から0.3ポイントの改善を見せ、27週以上の長期失業者数が前月から38.1万人の大幅減少となるなど、良い内容も散見されたものの、全体としてはマーケットの利上げ開始の予想時期や今後の利上げペースを早める確度を高めるような強い内容ではありませんでした。

1-3.ISM非製造業景況感指数

6日にISM非製造業景況感指数が発表されます。先に発表された製造業指数は市場予想を上回って前月から改善し、冬場の悪化からの改善傾向が鮮明となりました。一方、非製造業指数の水準は製造業指数よりも高いものの、足下まで2ヵ月連続で悪化しており、景況感の悪化が懸念されます。市場予想では56.4と3ヶ月ぶりに前月から改善すると予測されています。

1-4.6月FOMC議事要旨

8日に6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されます。利上げ開始の時期やペースについて、どのような議論が行なわれたのか注目されます。

1-5.イエレンFRB議長発言

10日にイエレン議長の講演が予定されています。6月の雇用統計はさほど強い内容ではなかったとは言え、これまでどおり年内利上げ開始に意欲を示す内容となると予想されます。

【2.欧州】

先週の欧州の主要株価指数はギリシャ問題の混迷が深まったことを受けて下落しました。ドイツのDAX指数は週初から大きく下落して始まると、30日には11,000ポイントの節目を割り込みました。週の半ばにギリシャのチプラス首相が債権団の提案内容全般を受け入れる意向であると伝わり、反発する場面も見られましたが国民投票を週末に控えてその後は再び軟調に推移しました。

ユーロ/ドルは、ギリシャの国民投票実施方針を受けて週明けに1.11ドル台後半から1.09ドル台の安値をつけましたが、ドイツよりも米国の方が長期金利の低下が大きかったためか、すぐに1.12ドル台へ反発しました。その後米経済指標の予想比上振れを受けたドル高もあって、1.10ドル台半ばへ反落しました。国民投票を控えていたとあって週末にかけては積極的なポジション造成が控えられたとみられ、1.11ドル丁度近辺での狭いレンジでの推移となりました。なお、週明けにはギリシャ国民投票での反対多数の結果を受けて一時1.10ドル割れへ下落しました。

2-1.ユーロ圏消費者物価指数

6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年同月比0.2%の上昇と市場予想と一致し、2ヵ月連続でプラスとなりました。伸び率は前月の+0.3%から小幅鈍化しましたが、サプライズがなかったことからドイツの長期金利やユーロ/ドルへの影響は限定的でした。

2-2.EU首脳会合

7日にギリシャ国民投票結果を踏まえ、対応を協議する緊急EU首脳会合が開催されます。ギリシャ支援に向けた協議を終了させギリシャの経済的破綻やEUからの離脱に追い込むのか、あるいはギリシャ国民の更なる緊縮策への強い反対姿勢を考慮し、妥協案を提示し合意に向かうのか、EUの将来にとっても重要な決定となるだけに注目されます。

2-3.ドイツ鉱工業生産

7日にドイツの鉱工業生産指数が発表されます。市場予想では前月比0.1%増と小幅な伸びが予想されています。昨年10月に8月分が発表された際には同指数が前月比4%超の減少とネガティブ・サプライズとなったことが欧米の株価指数急落の要因の1つとなったこともあり、注目されます。

【3.日本】

先週の日本市場は日経平均が週間で166円安と下落しました。週末にギリシャが国民投票を実施すると発表してから、主要国の中で最初に取引が行なわれるマーケットだったということもあり、ポジションを解消する売りが大量に出て、29日の月曜日に日経平均は600円近い急落となりました。ただ、日本株の先高感は強く翌日以降は買戻しが入り、日経平均は火曜日から金曜日まで4日続伸となりましたが、週初の下げを埋めるには至りませんでした。なお、ギリシャ国民投票結果を受けて、週明けには2万円割れ寸前まで下落しています。

ドル/円は、ギリシャの国民投票実施発表を受け、前週末の124円丁度から122円11銭まで大きく下落、ギリシャのデフォルトの悪影響顕現化への懸念から7月1日にかけて一時は121円94銭まで下落しました。もっとも、その後はギリシャのチプラス首相が条件付きながら債権団の改革案を受け入れる姿勢を表明し楽観的な見方が広がったこと、また米経済指標が予想比上振れたことを受けドル買いが進み、123円73銭までドル高が進みました。ただ、2日に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数や平均時給が市場予想を下回ったことを受け123円を割り込むと、週末にかけては123円丁度近辺で推移しました。なお、週明けにはギリシャ国民投票結果を受けて一時121円70銭へ下落しました。 ユーロ/円は、週初は前週末の138円台前半から133円78銭まで急落して始まりました。その後は概ねユーロ/ドルの動きに沿った動きとなり、29 日中に一時 138 円丁度を回復した後は、30 日に 136 円割れへ反落、週末にかけては概ね 136 円台で横ばい圏内の推移となりました。週明けには133円70銭へ再度急落しました。

3-1.日銀短観

7月1日に発表された日銀短観は、大規模製造業の業況判断DIが15と前回調査から3ポイント改善し、前回調査時の先行き予測の10を上回りました。大規模非製造業の業況判断DIも23と前回調査から改善、消費税増税前の昨年3月以来の高水準となりました。また、今年度の大規模製造業の設備投資計画は前年度比18.7%増加の計画となり、6月調査としては2004年度以来の高い伸びを示しました。

3-2.小売り決算

先週はニトリホールディングス(9843)、しまむら(8227)、アダストリア(2685)、スギホールディングス(7649)、ファミリーマート(8028)、オンワード(8016)などの小売各社が決算発表を行いました。全体としては概ね堅調に推移している印象で、中でもファミリーマートは3-5月期の営業利益が過去最高を更新しました。

3-3.景気ウォッチャー調査

8日に6月の景気ウォッチャー調査が発表されます。5月の現状判断DIは53.3と昨年11月につけたボトムである41.5から大きく回復し、改善と悪化の境目となる50を上回っています。引き続き消費者センチメントが改善傾向を継続できているのか注目されます。

【4.中国】

先週の上海市場は上海総合指数が週間で500ポイント超の大幅下落となり、4月9日以来約3ヶ月ぶりに4,000ポイントの節目を下回りました。前週末に決定された追加利下げも株価下落を止める効果は限定的で、信用取引の持ち高縮小の流れが止まらず、連日大幅安となりました。週末に中国当局・関連機関は各種株価下支え対策を発表し上昇して寄り付きましたが(詳細は「中国株 Market Pick UP 今週の注目ポイント」を参照)、売り圧力が強い状況が続いています。

グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

  1. 日本(前回からの変更なし)
    日銀は2%のインフレ目標達成時期を16年度前半へ後ずれさせつつも、景気やインフレに関する強気姿勢を維持しており、目先の追加緩和を示唆していません。更に、黒田総裁が6月10日にこれ以上の円安は考えにくいと発言したことで、円安をもたらす追加緩和を計画していないことも示唆されています。
  2. 米国(前回から変更なし)
    6月18-19日に開催されたFOMCでは、冬場の減速からの回復が確認され、FOMC参加者の2015年末のフェデラルファンド金利予測(中央値)が0.625%で維持され、年内の利上げ開始見通しを強める結果となりました。もっとも、2016、17年のフェデラルファンド金利予測は小幅下方修正されたことから、先行きの利上げペースがより緩やかになるとの見方が示されました。利上げ開始時期を巡っては、9月との見方が多いですが、今後の経済指標発表を受けて思惑が振れる状況が続くと考えられます。
  3. 欧州(追加緩和リスクが更に高まる)
    7月5日のギリシャ国民投票でEUが提示する改革案に圧倒的な反対多数となったことから、ギリシャのユーロ圏・EU離脱のリスクが更に高まりました。こうした中、市場の混乱や他のユーロ圏諸国への波及を最小限に抑えるために、ECBが量的緩和を前倒し実施するとの観測が市場では徐々に高まっています。
  4. 新興国(株価動向次第では更なる追加緩和)
    中国では景気減速が続く中、上海総合株価指数が6月12日にピークをつけてから30%近い下落が続く中、中国人民銀行は27日に政策金利と預金準備率の引き下げを決定、他の政策当局も様々な株価下支え対策を発表しています。今後の景気・株価動向次第では、更なる緩和措置が取られる可能性があります。

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