創続総合研究所

母が人生の最後に、遺言で示した息子への怒り
~生前にどんな「準備」をしたかで、相続の中身も変わる

「子なし夫婦」も遺言書を

八木 遺言書に関して、他に注意したほうがいいケースはありますか?

浅野 最近、気を付けたほうがいいと感じるのは、「子どものいない夫婦」ですね。例えば、夫が亡くなった場合、子どもがいれば、相続人は自分と子ども。でも、「子なし」だと、「旦那の兄弟」が相続人に「入って」くるのです。
 もし、遺言書がないと、法定相続分は、配偶者4分の3、被相続人の兄弟4分の1、ということになるんですね。4分の1って、少ないように思えるけれど…。

八木 「夫の兄弟」なんて、普通は他人でしょう。そういう人たちに、2人で築いてきた家計を「取られる」のは、けっこう抵抗があるかもしれません。

浅野 夫婦の間でそういう共通認識があったら、お互いに遺言書を書いておく、というのを、ぜひお勧めします。

八木 子どものいない夫婦は増えていますけど、今の指摘は、案外盲点になっている部分ではないでしょうか。

浅野 相続をつつがなくやろうとしたら、やはり事前の準備なんですよ。一番大事なのは、親と子がよく話をしておくこと。当たり前ですけど、それに勝る準備はないし、そこが難しいともいえるわけですね。
 子どものほうから遺産分割を切り出すのは、さすがに難しいでしょう。話し合いのイニシアチブは、親がとるべきでしょう。例えば、「この家は、長男に継いでもらうからな」といった話を普段からしていたら、無用な争いは、ずいぶん防げるはずですよ。

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八木美代子 [株式会社ビスカス代表取締役]

早稲田大学卒業後、リクルート入社。1995年に株式会社ビスカスを設立。税理士を無料でご紹介するビジネスモデルを日本で初めて立ち上げ、現在まで10万件以上のマッチングを実現。相続に強い税理士のみを集めたサイト「相続財産センター」を運営し、相続コーディネーターとしても業界ナンバーワンの実績を誇る。著書に『相続の現場55例』(ダイヤモンド社)、『相続、いくらかかる?』(日経BP社)、『相続は『感情のもつれ』を解決すればお金の問題もうまくいく』(サンマーク出版)などがある。
株式会社ビスカス

 


相続の現場~争いから学ぶハッピー相続術

相続の別名は、「争続」。仲の良かった兄弟姉妹が親の遺産を前に骨肉の争いを演じるというのは小説やテレビドラマの中だけの出来事ではないようです。諍いの中心はもちろん「お金」。ですが兄弟姉妹には、他人がうかがい知ることのできない「本音」「思い」があるようで……奥底にある「心の綾」を解きほぐすと争いから一転、分かりあえるのが家族。そうした「ハッピー相続」の例を解説します。

「相続の現場~争いから学ぶハッピー相続術」

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