株式レポート
7月21日 11時59分
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中国株 「深港通」期待で堅調な推移か Caixin中国製造業PMIに注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
中国株 金融緩和期待後退にも拘らず上昇軌道に戻す

<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は週間で2%上昇し、2万5,415ポイントと節目の2万5,000ポイントを回復しました。また、上海総合指数も週間で2%高の3,957ポイントと続伸しました。

先週の上海総合指数は、4-6月期のGDPなどの経済指標の改善で金融緩和期待が後退したことから下落する場面もあったものの、中国証券報などの強気の論説を受けて投資家心理の改善が続き、週間では買いが優勢となり、3,900ポイントを回復しました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

中国当局が発表した不動産市況を示す6月の中国の不動産景気指数が7カ月ぶりに上昇に転じたと伝わり、不動産株が軒並み賑いました。なかでも、恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント、不動産管理・開発、0012)や恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ、不動産管理・開発、0101)などが週間で5%近く上昇しました。また、全面禁煙を進めるマカオのカジノ施設内で喫煙室の設置が許可されるとの観測で喫煙顧客増への期待から、金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)が週間で約9%上昇し、3週間連続で上げました。さらに、国際原油価格が下落したことから、国泰航空(キャセイ・パシフィック・エアウェイ、旅客航空輸送業、0293)がコスト減期待で大きく買われ、週間で約4%値上がりしました。

<下落>

香港交易及結算所(香港証券取、各種金融サービス、0388)が週間で約2%下落しました。また、聯想集団(レノボ・グループ、コンピュータ・周辺機器、0992)も軟調に推移しました。さらに、国際原油価格が下落したことから、中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス・消耗燃、0857)と中国石油化工(シノペック、石油・ガス・消耗燃、0386)が軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

7月13日 中国貿易収支 6月 +465.4億ドル、市場予想 +567 億ドル、前回  +594.9 億ドル
輸出 6月 +2.8%、市場予想 +1.0%、前回 -2.5%
輸入 6月 -6.1%、市場予想 -15.5%、前回 -17.6%

6月の中国の輸出は前年比2.8%の増加と、1%増の市場予想を上回って増加率が前月から拡大しました。また、6月の輸入は15.5%減を見込んでいた市場予想を大きく上回り、前年比6.1%減と減少率が前月から縮小しました。こうしたなか6月の貿易収支は465.4億ドルの黒字となりました。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、6月の各地域向けの輸出は前月から軒並み改善しました。特にアジア向けの輸出の伸び(5月の187→6月の206)が目立ちました。一方、輸入については、前年比が前月より下げ幅を縮小したものの依然としてマイナス圏に留まっており、弱い内需、鉄鉱石などの原材料の価格の低迷が主な原因と考えられます。

7月15日 固定資産投資(前年比) 6月 +11.4% 市場予想 +11.2%、前回 +11.4%

6月の固定資産投資額は前年比11.4%増と、市場予想の11.2%増を上回りました。内訳をみると、6月の不動産投資が引き続き減った一方、建設業投資が前月から大幅に増加しています。

7月15日 鉱工業生産(前年比) 6月 +6.8% 市場予想 +6.0%、前回 +6.0%

6月の鉱工業生産は前年比6.1%増と、前回の6.0%増より小幅な改善がみられたほか、市場予想の6.0%増を上回りました。6月の鉱工業生産のリバウンドは上旬の利下げが功を奏したと考えられます。

7月15日 国内総生産(前年比) 2Q +7.0% 市場予想 +6.8%、前回 +7.0%

4-6月期の国内総生産(GDP)は7%増と市場予想を上回り、1-3月期のGDPから横ばいとなりました。内訳を見るとサービスセクターが牽引役として(名目では1-3月期の9.6%→4-6月期の11.1%)顕著な改善をみせました。なかでも、金融業の伸びが最も目立ちました。先進国の緩やかな景気回復で純輸出も堅調で全体の追い風となったものの、固定資産投資と工業生産高はともに鈍化しており、基礎的な経済が依然として脆弱である側面を示しています。
総じてみると、4-6月期のGDPが7%増を維持したことは政府の度重ねる金融緩和と財政出動が奏功したと考えられます。また、6月の主な経済指標が軒並み市場予想を上回って改善したことから、下半期には利下げや預金準備率の引き下げなどの追加緩和を緩める可能性がありそうです。ただ、信用取引の監督強化などによってマーケットが堅調さを保てるかどうかは不透明なことから、下期も緩和的な政策スタンスが継続するとみています。

今後発表される主な経済指標

7月24日 Caixin中国製造業PMI 7月 市場予想 49.7 前月 49.4

中国大手メデイア・財新メディア(Caixin Media)は6月30日、英HSBC社から引き継いで、英調査会社マークイット(Markit)が集計している中国の製造・非製造業購買担当者景気指数(PMI)のスポンサーになったことを発表しました。調査の中身は不変なので、景気動向の「先行指数」として引き続き注目されるとみられます。

7月のCaixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間24日に発表される予定です。7月のCaixin中国製造業PMIは49.7が予想されています。

マーケットビュー
中国株 「深港通」期待で堅調な推移か Caixin中国製造業PMIに注目

中国本土市場では上海総合指数が1週間で2%高と続伸しました。公安部による相場操縦の調査や、地方融資プラットフォーム向けの2000億元(約4兆円)のインフラ投資支援計画観測などが好感され、上海総合指数は買い先行となりました。その後、4-6月期のGDPなどの経済指標の改善で金融緩和期待後退したことから利益確定売りが出て大きく下げたものの、4証券日報(中国証券報、証券時報、証券日報、上海証券報)が今後証券市場に関して強気の論説記事を掲載したことに加え、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)が、虚偽の情報を用いて株価を操作することなどの6種類の市場操縦の行為を禁止することを公表したことも好感され、週後半に上昇軌道に戻しました。また、金曜日は株価指数先物7月物の清算日でしたが、波乱なく通過したことによる安心感で今週月曜日も買いが優勢となり、一時節目の4,000ポイントを回復する場面もみられました。

香港市場ではハンセン指数が1週間で2%高となり5週ぶりに反発しました。ギリシャ債務問題をめぐる協議の進展期待でハンセン指数は買い先行となったものの、追加緩和期待後退による中国本土株の大幅下落が嫌気され、14日と15日には売りが優勢となりました。ただ、中国本土株が持ち直したことに加え、欧米株が堅調だったこともあり、先週後半は上昇となりました。ただ、月曜日は買い材料に乏しいなか小幅に下落しています。

今週の上海総合指数とハンセン指数はともに堅調推移が予想されます。海外では、ギリシャ政府が欧州中央銀行(ECB)保有の国債償還で42億ユーロを支払ったほか、国際通貨基金(IMF)に対しても滞納分の20億ユーロを返済したことから、ギリシャ債務問題が当面の危機を回避したとしてリスクオンに転じるとみられます。また、中国では中国証券監督管理委員会が改めて政府系機関が株価対策として購入したETFを売却するとの報道を否定したことが投資家心理の改善につながりそうです。さらに、「深港通」という深センと香港の両株式市場の相互取引が国慶節(10月1日)前後に開始との観測が浮上したことも買い材料となりそうです。なお、24日に7月のCaixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表があり、注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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