お互いのプレゼンから学ぶことが多い

――西脇さんはいろいろな経営者の方にもプレゼンのコーチングをされていますが、樋口会長にプレゼンのレッスンをしたりもしているのですか?

西脇:そう言われると…何もしていないですね。

樋口:してないですね。プレゼンには2つの面があって、一つは西脇がいろいろなところで教えているような純粋に技術的な面があるんですが、もう一つは、自分のパッションを伝えるという感情的な面もありますよね。自分の思いを自分の言葉で語らないとプレゼンできないという僕の性格を西脇もわかっているので、あまり何も言ってこないのかもしれないですね。

社長の愚直すぎる熱意を<br />陰で支える「通訳」の存在

西脇:むしろ、私が樋口から学ぶことのほうが多いですね。
社長と一緒に動く機会が多いということは、やはりいろんな企業のエグゼクティブとのミーティングに同席できるということです。そういう場で発せられる言葉の一つ一つが、私にとっては発見に満ちている。
プレゼンのテクニックだけでなく、「経営者同士はこんな話し方をするんだな」とか「序盤でこんなつまんないジョークを言ったりするんだ~」とか。

樋口:つまらない!?(笑)

西脇:いやいや(笑)、そういう会話の間合いはセミナーや書籍では学べないんですよ。体験で学ぶしかないところだから、短時間でものすごくたくさんのことを吸収させていただいています。

樋口:西脇のプレゼンというのは、いつも絶対的な高い視点を持っていて、聞き手がどう思うかというところを見ているんです。だから、僕も背伸びしてなるべく顧客目線を意識しているうちに、経営者や顧客に響くメッセージがどんどん出せるようになってきたという感覚はありますね。