“自分軸”で考える女性部下 VS “組織軸”で考える上司

 「いつになったら、ちゃんとした仕事を任せてもらえるんでしょう。私は企画がやりたくて入社したのに……」

 「仕事は書類作成などの雑務ばかり。これって私がやるべき仕事じゃないような気がするんですけど……」

 これらは、私が実際に話を聞いた入社3年目くらいまでの総合職で働く若手女性社員たちの声です。“天職ドリーム”さんや“堅実キャリア”さんに多い不満です。査定時の面談や飲み会の席で、女性部下から同じような言葉を聞いたことのある上司の方もいるかもしれませんね。

 「最初は誰でも下積みから始めるものだ」と諭してみたものの、「何で私がこの仕事をしなくてはならないの?」「ヒット商品を出すような仕事をしたいのに」という不満のサインを感じながら、男性部下のように叱りつけて無理やり取り組ませるのも気が進まず、途方にくれている上司もいることでしょう。

 上司世代からすると、若手がある程度の期間、下積み仕事を担うのは当たり前。スキルは経験を重ねる中で自然に身についていくものなのに、女性部下たちが何をそんなに焦っているのか理解できない面もあるでしょう。

 それを読み解くカギを私が見つけたのは、資格スクールやお稽古事の情報を掲載している『ケイコとマナブ』の編集長を務めていたときでした。やりたい仕事を手に入れるために習い事に励む読者は女性ばかり。また、当時、部下の採用面接をする機会が多かったのですが、仕事に対する意欲を感じ、採用したいと思えるのは軒並み女性ばかりでした。

 なぜ女性ばかりが、仕事にも人生の楽しみにも貪欲で積極的なのでしょうか?