株式レポート
7月27日 16時44分
マネックス証券

米FOMCや米GDPで利上げ観測強まるか - 世界経済のトレンド丸解り!今週の注目レポート

 「槙原君、おはよう。今週のポイントは?」
「今週は、米国では第2四半期GDPが、日本では企業の決算発表が本格化しますが、一番気になるのはFOMCで9月利上げ開始についてどんな姿勢が示されるかですね」
「うむ。『利上げ時期 女ごころと 秋の空』てところか。9月に利上げを開始するかしないか市場心理は秋の空や女ごころと同じように変わりやすく、揺れ動いてきたものだなぁ」
「部長、それサラリーマン川柳ですか?」
「いや、季語を入れているから俳句のつもりだが」
「さすが部長、俳句とhike(利上げ)をかけたんですね!女ごころをくすぐりますね!」
「議長が女性だからなんだが・・・まあいいか」

詳細は以下をご覧ください。

今週の注目レポート・重要ニュース

【1.米国】

先週の米国市場は下落しました。ダウ平均は週明けこそ小幅に反発したものの、その後はダウ平均構成銘柄の冴えない決算や商品市況の悪化を嫌気して下落が続きました。21日に180ドルを超す下げで6営業日ぶりに節目の18,000ドルを割り込んだ後、23日には120ドル近い下落から200日移動平均線を割り込みました。週末も160ドルを超える下げとなったダウ平均は週間で510ドルを超える下落となっています

1-1.米住宅関連指標販売件数

22日に発表された6月の米中古住宅販売件数は前月比3.2%増の年率549万戸で、2007年2月以来、8年4カ月ぶりの高水準となり市場予想も上回りました。中古住宅販売では力強い回復を確認する格好となった一方で、24日発表の6月の新築住宅販売戸数は冴えない内容となりました。年率換算で前月比6.8%減の48万2千戸と市場予想を下回り、昨年11月以来7カ月ぶりの低水準となりました。5月分がプラスからマイナスへと下方修正されたことで、2カ月連続での減少となっています。今週は28日に5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が、29日に6月の仮契約住宅販売指数が発表される予定です。

1-2.米耐久財受注

27日には6月の米耐久財受注が発表されます。5月は2カ月連続のマイナスとなり市場予想以上の落ち込みとなりました。しかし、民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除いたコア耐久財受注はプラスに転じました。6月は耐久財受注、コア耐久財受注ともにプラスを維持する見通しですが、耐久財受注は米経済指標の中でも冬場の悪化からの回復が最も出遅れている指標の一つであるため注目されます。

1-3.FOMC

28-29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。金融政策に変更はないとみられますが、今回はイエレン議長による記者会見がないことから、声明文での米連邦準備理事会(FRB)の景気や物価認識が焦点となりそうです。声明文から利上げ開始時期や利上げペースのヒントを掴めるかが注目されます。

1-4.米GDP

30日に4-6月期の米国内総生産(GDP)速報値が発表されます。4-6月期は前期比年率換算で2.5%増と、厳冬や港湾ストの影響で0.2%減とマイナス成長となった1-3月期から2四半期ぶりのプラス転換が見込まれています。仮に予想を大きく上回る成長となればFRBによる9月の利上げが意識されそうです。1-3月期の成長率をほぼ的中させたアトランタ連銀によるリアルタイム推計値(GDPナウ)も前期比年率2.4%増とほぼ同様の伸びが予想されています。

【2.欧州】

先週の欧州の主要株価指数は下落しました。ギリシャがECBやIMFに債務を返済したことを好感して上昇して始まりましたが、その後は買いが続きませんでした。ドイツのDAX指数が週間で2.8%の下落となったほか、フランスのCAC40指数も週間で1%以上下げています。

ユーロ/ドルは、週初は前週の欧州の株高・金利低下とユーロ安傾向が続き、21日早朝に1.0809ドルの安値をつけました。もっとも、21日には米利回りの反落と共に急反発し、23日もギリシャ議会で第3次支援協議開始に必要となる第2弾改革案が可決されたことが好感されてか続伸し、1.1018ドルの高値をつけました。

2-1.ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)

24日に発表されたユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.2と前月から低下し市場予想も下回りました。前月に14カ月ぶりの高水準となったユーロ圏製造業PMIは横ばいが見込まれていましたが、期待に反して悪化しました。

2-2. 独Ifo企業景況感指数

27日に7月の独Ifo企業景況感指数が発表されます。7月は前月から小幅に低下する見通しとなっています。ドイツのZEW期待指数が4ヵ月連続で低下するなど、ドイツの景況感の悪化が懸念されているだけに予想通り小幅の低下に止まるかが注目されます。

【3.日本】

先週の日本市場は一進一退となり下落しました。連休明けの21日に大きく上昇した日経平均は6月24日の年初来高値まで30円足らずに迫りましたが、6日続伸で日経平均が1,000円以上の上昇となっていた反動もあって22日には250円近い下げとなりました。23日には反発したものの、週末に冴えない米企業決算を受けて続落となった米国株を嫌気して140円近く下げた日経平均は、週間で100円余りの下落となっています。

ドル/円は、21日まで前週以降のドル高地合いが継続し、一時124.48円へ続伸しました。もっとも、21日NY時間にかけては、黒田日銀総裁がインフレが向こう数か月間に加速するとの見通しに加えて、現時点で追加緩和は不要との見解を述べたことが円買戻し材料となり、翌22日東京時間にかけて123.57円へ続落しました。その後は、22日の米中古住宅販売や23日の米新規失業保険申請件数の市場予想比上振れで下支えされ124円を回復する局面もありましたが、24日発表の米新築住宅販売が市場予想を下回ったことから、再び123円台半ばへ軟化しました。
ユーロ/円は、ユーロ/ドルと同様の動きとなり、134円台半ばでスタートした後、23日には136.44円の高値をつけました。

3-1.消費者物価指数(CPI)

31日に6月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。5月は生鮮食品を除くコア指数が前年同月比0.1%上昇し、横ばいとみていた市場予想を上回り、消費増税の影響を除くと横ばいだった4月からもわずかに上振れました。6月は横ばいが予想されていますが、黒田日銀総裁がインフレが向こう数か月間に加速するとの見解を示していることもあって、物価動向への注目度が高まりそうです。

3-2.決算発表

今週から3月期決算企業の第1四半期決算発表が本格化します。28日には東京エレクトロン(8035)などが、29日には新日鉄住金(5401)やコマツ(6301)、日立(6501)、パナソニック(6752)、日産(7201)などが、30日にはJFEホールディングス(5411)、ソニー(6758)、ファナック(6954)、マツダ(7261)などが、31日にはシャープ(6753)。ホンダ(7267)、メガバンク3行などが決算発表を予定しています。

【4.中国】

先週の上海市場は投資家心理の改善が続き3週連続での上昇となりました。上海総合指数は21日に節目の4,000ポイントを約3週間ぶりに回復すると、その後も上昇を続け23日には大幅高から4,100ポイントを上回りました。週末は7月の中国財新(Caixin)製造業PMが市場予想を大きく下回ったことや、高値警戒感からの利益確定の売りも出て7営業日ぶりに反落したものの、上海総合指数は週間で3%近く上昇しました。

4-1. 中国製造業PMII

24日に発表された7月の財新(Caixin)製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.2と、6月の確報値(49.4)から1.2ポイント低下し、改善を見込んでいた市場予想も大きく下回りました。景気判断の節目となる50を5カ月連続で下回り、確報値との比較では2014年4月以来1年3カ月ぶりの低水準となりました。

グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

  1. 日本(前回から変更なし)
    日銀は7月の中間評価で成長率、インフレ率の見通しを小幅下方修正しましたが、景気やインフレに関する強気姿勢および16年度前半という2%のインフレ目標達成時期を維持しており、目先の追加緩和を示唆していません。また、7月金融経済月報ではインフレ指標としてCPI除く生鮮食品・エネルギーが前年比+0.7%へ上昇していることも示し始め、インフレ判断が原油価格に左右されにくい体制を構築しつつあるように見受けられます。更に、黒田総裁が6月10日にこれ以上の円安は考えにくいと発言したことで、円安をもたらす追加緩和を計画していないことも示唆されています。
  2. 米国(前回から変更なし)
    6月18-19日に開催されたFOMCでは、冬場の減速からの回復が確認され、FOMC参加者の2015年末のフェデラルファンド金利予測(中央値)が0.625%で維持され、年内の利上げ開始見通しを強める結果となりました。もっとも、2016、17年のフェデラルファンド金利予測は小幅下方修正されたことから、先行きの利上げペースがより緩やかになるとの見方が示されました。こうした姿勢は7月15日のイエレン議長議会証言でも再確認されています。利上げ開始時期を巡っては引き続き9月との見方が多いですが、今後の経済指標発表を受けて思惑が振れる状況が続くと考えられます。
  3. 欧州(前回から変更なし)
    7月23日、ギリシャ議会は第3次支援協議開始の条件とされた追加的な改革案の法制化についても可決し、8月後半とみられる第3次支援合意に向けて進展がみられており、ギリシャは市場の焦点からはずれつつあります。ユーロ圏ファンダメンタルズに大きな変化が見られない中、ECBは2016年9月まで予定通り、現在の資産購入プログラムを継続するとみられます。
  4. 新興国(事実上の人民元安誘導を通じた輸出促進の可能性)
    中国では、株価はひとまず落ち着いたものの、7月24日発表の財新製造業PMIが市場予想比で大幅に悪化し景気減速懸念が再び高まる中、中国人民銀行は人民元の変動幅の拡大方針を発表しました。景気下支えのため、今後数か月間に許容変動幅が拡大され、人民元高が容認される可能性が高まっています。

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