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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

自民党分裂の危機か?
小沢幹事長が仕掛けた「郵政凍結法」の罠

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第102回】 2009年11月27日
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 自由民主党の分裂はあるのだろうか。

 終盤戦を迎えた臨時国会で、民主、社民、国民新3党の連立政権が提案した「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行(ゆうちょ銀行)、郵便保険会社(かんぽ生命)の株式の処分の停止等に関する法律案」(凍結法案)に対する自民党の対応が「政局」の侮れない焦点に浮上してきた。

 同法案は、8月の総選挙で勝利を収めて政権を獲得した連立政権が、引き続き全国特定郵便局(全特)など日本郵政グループの組織票を獲得し続けるために、どうしても今臨時国会で成立させたい重要法案のひとつだ。

 内容的には、小泉郵政民営化が早期の実現を目指していた日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社の株式などの売却・公開を先送りしようというもの。これにより、連立政権は少なくとも次期通常国会(2010年春開催)まで時間稼ぎを行い、その間に、現行の日本郵政グループの主要5社体制の見直しなどを柱とする「郵政改革基本法案」(基本法案)をまとめて、成立させるという。

 ただ、同法案に賛成することによって、全特の組織票を獲得しないと議席を維持できない国会議員は、連立与党だけでなく、自民党にも少なからず存在する。

 そうした事情に着目して、空転していた国会の正常化を図り、自民党を同法の審議に誘い込んだのが、民主党幹事長の小沢一郎氏だ。自民党は、結束を維持して党を存続させることができるのか。谷垣禎一総裁ら同党幹部は、就任以来初の大きな正念場を迎えている。

凍結法案でも挙党一致と
強気を見せる谷垣総裁だが

 自民党の谷垣総裁は11月24日、久しぶりに怪我から復帰し、自民党本部でなかなか強気の記者会見を開いた。まず、審議に応じて国会の正常化に協力することは、小沢氏の誘い、罠に嵌るものとの見方を否定するかのように、

 「国会は与党の乱暴な運営により大変混乱したわけですが、党内一致団結して、事にあたっていただきました。わが党の底力を感じた次第で、心強く思っています。

 わが党は衆議院で協議に応ずる姿勢を示している。政治への国民の信頼をどう確保していくかという観点から考えますと、鳩山首相と小沢幹事長の政治と金の問題、これが第一です」と、発言した。

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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