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シェア日本一!のニッチな企業

コミック本は包んだほうが売れる!
フィルム包装機市場でシェア90%のダイワハイテックス

森野 進 [経済ジャーナリスト]
【第1回】 2009年3月30日
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きっかけは書店主の「ささやき」

 ダイワハイテックスは、書店に並ぶコミック本のフィルム包装機市場を創出したベンチャー企業。取引先書店数は約5500店。34万~260万円の3種類の包装機を製造販売する。「コミック本は包装したら売れない」という業界常識を覆し、フィルム包装機「コミックシュリンカー」で市場を創出。現在も国内シェア約90%とほぼ独占状態だ。

 会社設立は1978年、業務用包装機の仕入販売からスタートした。大石孝一社長は当時を振り返り、「創業当初は、食べていくのがやっとだった」と語る。

 転機となったのは設立から2年後、展示会で出会った書店主の「立ち読みと本の汚れを防ぐため、コミック本にカバーをかけられないかな」というささやきだった。

 それまで取り扱っていた包装機の売れ行きが思わしくなく、独自の商品開発を模索していたときでもあり、同社では早速、クリーニング用包装機を参考にしながら、本を透明フィルムで包む機械を開発した。

 しかし、すぐには売れなかった。ほとんどの書店主は「フィルムで包んでしまったら、売れる本も売れなくなる」と関心を示さなかったという。

 それでも、大石氏は諦めなかった。わずかな数にせよ、購入してくれた書店での顧客の反応を見て、「お金を出して本を買うお客さんは、きれいな本を望んでいる。フィルムで包んだら売れないというのは、先入観にすぎない」との確信を得たためである。

 実際に機械の性能を上げ、使い勝手をよくすると、徐々に売れ始めた。売れ行きに拍車がかかったのは初号機の発売から約2年後。大手取次の調べで、フィルム包装により書店でのコミック本の売り上げが約15%伸びることがわかってからである。

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森野進 [経済ジャーナリスト]

日刊工業新聞社の記者、雑誌編集者を経て独立。中堅・中小企業の取材をライフワークとして活躍。著書に『女性発明家の着想に学ぶ』(発明協会)、『未公開ITベンチャーの躍動』(共著・オーム社)、『明日のものづくり』(共著・日経BP社)などがある。


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